ハイスピードカメラ(高速度カメラ)
ハイスピードカメラのプロ集団であるノビテックが、ハイスピードカメラの基礎知識から選び方、おすすめ製品までご紹介します。
ノビテックでは500fpsから10億fpsまで、幅広い撮影速度に対応したハイスピードカメラ(高速度カメラ)を取り揃えており、お客様の研究・開発を支援します。
ハイスピードカメラとは
ハイスピードカメラ(高速度カメラ)とは、高速現象の撮影に用いられる装置です。
通常のビデオカメラでは1秒間に30枚の画像を撮影しますが、ハイスピードカメラは千~数十万枚の高速撮影を行います。
それにより、人間の目では捉えられない現象をスローモーションで捉えることができます。
ハイスピードカメラは生産現場や研究開発、エンターテイメントといった幅広い分野で高速現象の可視化・解析を実現しています。
研究開発分野では、目では見えない高速現象を撮影し、現象理解を深めるために使われます。
エンターテイメント分野では、ゴルフや野球などスポーツの決定的瞬間を捉えたり、食材を美味しく見せる「シズル」などに活用されています。
ハイスピードカメラの機材構成
ハイスピードカメラを使用する際には、ハイスピードカメラに加えて、レンズ、設置治具、照明、制御用PCが必要です。
当社では、お客様にあわせてハイスピードカメラとその関連製品を総合提案しています。
また、撮影した映像から画像解析をおこなうためには別途ソフトウェアが必要です。
当社ではひずみ解析ソフトウェアDICや流体解析PIVなど幅広く、カメラ以外の計測に必要な構成機材も取り揃えています。
ハイスピードカメラを選ぶポイント一覧
自分が求める映像をうまく撮影するにはこれらの要素が必要です。
詳しくは「ハイスピードカメラの選び方」ページをご覧ください。
- 撮影速度(フレームレート)
- 解像度
- カメラ感度
- シャッタースピード(露光時間)
- カラー・モノクロ
- データ転送方式
- メモリ容量
- レンズマウント
ハイスピードカメラをフレームレートで選ぶ方法
ハイスピード撮影をする際には、自分が撮影したい現象にどの程度フレームレートが必要か確認する必要があります。
一般的に、人体動作は120~1,000fps、最大でも6,000fps程度あれば十分ですが、噴霧や衝撃波など、目では捉えられない現象には5万~10万fpsが必要になる場面もあります。
以下は、どの程度フレームレートが必要かを示した図です。
現象の速度がある程度わかっている場合は、現象の速度から算出することが可能です。
現象の速度 10,000mm/secで動く物体を100mm視野で撮影する。そのとき100枚写っていてほしい場合の計算です。
100mmの視野を0.01秒で横断します。
これを100枚撮影したい場合は0.01秒の100等分、つまり0.001秒刻みで撮影する必要があるので10,000fpsが必要となります。
回転体の現象を撮影する場合には、何度刻みで見たいか、から逆算できます。
600rpmで動く物体を1度ごとに見たい場合:
600rpm = 10rps(1秒間に10回転)
1回転あたり360等分で見たいので3,600fpsが必要です。
振動物や周期性のある現象を撮影したい場合には、1周期を何等分でみたいか、から逆算できます。
1,000Hzのものを1周期あたり10等分で見たい場合、1,000Hz × 10で10,000fps必要です。
製品一覧
フラッグシップハイスピードカメラ Phantom TMXシリーズ
Phantom TMX 7510は1,280x800ピクセル、100万画素で76,000コマ/秒の超高速度撮影を実現しました。
最高撮影速度は驚異の175万コマ/秒で、その際の解像度は、1,280x32ピクセルもしくは640x64ピクセルです。
画像補間などは行っておらず、グローバルシャッターでの実解像度、実撮影速度での撮影なので、動体解析やPIV、DIC等の画像解析にも最適です。
撮影速度を抑えたTMX 6410、TMX 5010とあわせて3モデルのラインナップがございます。
TMXシリーズ 計測事例
スマートフォンの耐久試験の様子を可視化
携帯電話に対して圧力をかけて、壊れていく様子を可視化しました。スマートフォンの開発において、その耐久...
飛翔体の飛行の様子を可視化
飛翔体の様子をハイスピードカメラを使用して可視化しました。弾丸など、高速で移動する飛翔体の様子を通常...
マイクロ波放電時のプラズマと衝撃波伝搬
画像提供:東北大学 大学院工学研究科 高橋先生マイクロ波放電時のプラズマと衝撃波伝搬の様子をハイスピ...
高性能コンパクトハイスピードカメラ Phantom Tシリーズ
Phantom Tシリーズは 127mmx127mmx203mm、4.3kgと小型・軽量ボディに最新のテクノロジーを搭載したオールインワンモデルです。可搬性に優れ、設置場所を選びません。また堅牢性にも優れ、30Gの耐衝撃性を有します。
400万画素:高速 × 高解像度モデルT4040 / T2540と100万画素:高速特化モデルT3610 / T2410 / TE2010の5機種があります。
Tシリーズ 計測事例
コロナ放電の紫外線を捕らえる!PhantomーUVで見るテスラコイル放電の瞬間
コロナ放電現象とは、高い電圧がかかる場所で空気中の分子(主に窒素や酸素)が電気の力で引き裂かれて光を...
霧吹きによる噴霧の様子を可視化
霧吹きによる噴霧の様子をハイスピードカメラ T3610 を用いて可視化しました。 日常生活で度々使用...
入浴剤の泡のダイナミクスを可視化
入浴剤であるバスバブルの泡の発生とバスバブルの融解を可視化しました バスバブルとは、入浴剤や炭酸ガス...
小型・多機能ハイスピードカメラ Phantom VEO(ヴィオ)シリーズ
Phantom VEOシリーズは、125㎜立方、2.3kg(Lモデル)の小型・軽量ボディに最新のテクノロジーを搭載した、オールインワンモデルです。可搬性に優れ、設置場所を選びません。
堅牢性にも優れ、耐衝撃性は30G(通常モデル)、100G(メカニカルシャッタなしモデル)を有します。
VEO-E 310L、VEO-E 340L、VEO 440、VEO 640、VEO4K 590、VEO4K 990の6機種に加えて、次世代センサー搭載でより低ノイズなVEO610 、VEO1010、VEO1310の3機種をラインナップしています。
筐体デザインは研究開発向けのLモデル、端子フル装備版のSモデルからお選びいただけます。
幅広いラインナップでお客様のご用途に合わせて、最適な機種をお選びいただけます。
VEOシリーズ 計測事例
スズムシの鳴音を可視化!ハイスピードカメラVEO1310で羽の振動を捉える
スズムシの鳴音は、羽をこすり合わせることによって発生します。今回は、ハイスピードカメラPhantom...
入浴剤の泡のダイナミクスを可視化
入浴剤であるバスバブルの泡の発生とバスバブルの融解を可視化しました バスバブルとは、入浴剤や炭酸ガス...
グラインダーによる金属板の切断
グラインダーで金属板を切断する様子を可視化しました。グラインダーで金属板を切断する様子をハイスピード...
小型堅牢ハイスピードカメラ Phantom Miro(ミロ)シリーズ
Phantom Miro Cシリーズは、73mm立法の小型筐体、540gの軽量ボディに耐G仕様、バッテリ搭載の小型ハイスピードカメラです。
カメラ内部に不揮発性メモリ「CineFlash」を内蔵し、万が一電源供給が断たれた場合も大切な試験データを消失する事がありません。そのため、衝突・落下・振動試験や狭小エリアの撮影などに最適です。
Miroシリーズ 計測事例
心臓弁の挙動と圧力波形の同期計測
協力 旭川医科大学先進医工学研究センター http://www.asahikawa-med.ac.j...
水中攪拌のステレオPIV解析
攪拌された水槽中の流れをハイスピードカメラ2台で撮影しました。横からシートレーザ光源を照射し、ステレ...
気流のステレオPIV解析
装置から放出した空気を正面からハイスピードカメラ2台で撮影しました。シートレーザを横から照射し、ステ...
長時間記録ハイスピードカメラ Phantom Sシリーズ
PhantomSシリーズは、超高速データ通信可能なCoaXPressで接続することにより、従来にないハイスピード撮影を長時間記録できるシステムです。
4K超高解像度カメラから、高速度モデルまで、多彩なラインナップを有します。
ハイスピードカメラ Phantom UV拡張モデル
PhantomUV拡張モデルは、ハイスピードカメラPhantom UV拡張モデルは従来のセンサー波長感度に加え、紫外域に波長感度をもった拡張モデルです。
Phantom T(3610/2410)、TMX (7510 / 6410 / 5010)の基本性能そのままに、センサー波長感度が拡張されています。
Phantom UV拡張モデル計測事例
コロナ放電の紫外線を捕らえる!PhantomーUVで見るテスラコイル放電の瞬間
コロナ放電現象とは、高い電圧がかかる場所で空気中の分子(主に窒素や酸素)が電気の力で引き裂かれて光を...
水素とアンモニアの混合気の燃焼をUVハイスピードカメラで撮影
画像提供:九州大学 オカフォー先生 水素やアンモニアは、燃焼時に炭素が関与せず、カーボンニュートラル...
UVハイスピードカメラによるガスコンロの撮影
家庭用ガスコンロの気炎をUVハイスピードカメラで撮影しました。100mmのUVレンズと310nmバン...
水素燃焼をイメージインテンシファイア無しで撮影
画像提供:千葉大学 環境・熱流体エネルギー分野 森吉・窪山研究室 撮影の背景と課題 水素燃焼エンジン...
中赤外線ハイスピードカメラTACHYON 16k / 16k Plus
TACHYON 16k(タキオン16k)、TACHYON 16k Plus(タキオン16kプラス)は中赤外線カメラでありながら最高10,000コマ/秒の撮影が可能です。非冷却式のコンパクト設計でギガイーサネット2.0PoEに対応しています。フル解像度は128x128ピクセルで4,000コマ/秒、32x32で10,000コマ/秒(TACHYON 16k Plus)の高速度撮影が可能です。100℃以上の熱放射体(固体、気体)を可視化することができます。
超高速度ビデオカメラ Kirana(キラナ)
Kiranaは、従来困難であった超高速度撮影と高解像度画像を両立させた先進の超高速度ビデオカメラです。新開発のハイブリッドμCMOSセンサーの搭載により、924x768ピクセルの高解像度画像で、最高500万コマ/秒で180枚の連続撮影が可能になりました。
kirana計測事例
ガン治療のための音波感受性薬剤の気泡化のダイナミクス
DDS(ドラッグデリバリーシステム)の研究の一環で、レーザ着火による衝撃波を撮影しました。 レーザ着...
インクジェットの吐出
超高速度ビデオカメラKirana(キラナ)によるインクジェットの吐出 インクジェットの吐出を、超高速...
金属片クラックの可視化
超高速度ビデオカメラKirana(キラナ)による金属片クラックの可視化 金属片クラックを、超高速度ビ...
超高速度フレーミングカメラ SIM
SIMは、超高解像度イメージインテンシファイアと優れた光学設計により、最高10億コマ/秒の撮影が可能な超高速度フレーミングカメラです。放電・爆発・破壊・衝撃波・燃焼・流体・飛翔体などの様々な高速度撮影の用途にご活用いただけます。
新着情報
コロナ放電の紫外線を捕らえる!PhantomーUVで見るテスラコイル放電の瞬間
コロナ放電現象とは、高い電圧がかかる場所で空気中の分子(主に窒素や酸素)が電気の力で引き裂かれて光を...
スマートフォンのガラスフィルムの曲げ試験
ガラスフィルムを曲げた際のひずみの様子を可視化しました。 私たちが日常生活でよく使用するスマートフォ...
人形の変形試験
人形を変形させた際のひずみを計測しました。 デジタル画像相関法(Digital Imaging Co...
銅の平角線の曲げ試験
銅の平角線を曲げた際のひずみ計測をハイスピードカメラで行いました。 金属に力を加えると、その衝撃で変...
画像計測機器 ハイスピードカメラのよくある質問
Q
どれくらいの価格帯から購入できますか。
A
1000fps以上撮影できるPhantom Miro Cシリーズは270万円(税別)からとなっています。また、10000fpsでは550万円~となっています。最大解像度やセンサー性能により異なるため、各モデルごとの価格に関しては、お気軽にお問い合わせください。
Q
カメラのレンタルの料金はどれくらいでしょうか。
A
最もお求めやすい1000fps撮影可能なモデルで一日11万(税別)、7万fps以上のハイエンドモデルは一日32万円(税別)でレンタル可能です。カメラ撮影や計測請負も承っています。
https://www.nobby-tech.co.jp/measure/rental
Q
スマホのスローモーションとの違いを教えてください
A
スマートフォンでは、高性能な機種でも240fps程度でしか撮影できませんが、ハイスピードカメラでは1000fpsを超える高速撮影が可能です。
また、画像処理に向いた高品質な画像が取得できるため、研究開発や製造分野ではスマートフォンよりも専用のハイスピードカメラが使用されています。
Q
本体以外に必要なものはありますか。
A
場合に応じてレンズ、三脚、照明が必要です。ノビテックではハイスピードカメラに適した各種オプションもご用意しています。クレーンを使った特殊撮影などもできますのでお問い合わせください。
Q
ハイスピードカメラの選び方はどうしたらよいのでしょうか。
A
ハイスピードカメラの選び方は、撮影したいフレームレートと必要な画素数に対応する機種を選ぶのが一般的です。ご不明な点がございましたらメール、電話でお気軽にお問い合わせください。
販売終了品情報
販売終了品の一覧は、こちらのページからご覧確認ください。
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