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レーザー溶接可視化解析 ハイスピードカメラ「Phantom×可視化照明」

レーザー加工・溶接の不具合解明

高性能のハイスピードカメラおよび可視化用レーザー照明を使用し、溶接場を高速で観察するシステムです。あらゆる種類の溶接に使用でき、溶融池の溶融・流動状態、スパッタの発生状況等がスローモーションで観察できます。リアルタイムでの解析はできませんが、より高解像度かつ高速の可視化画像を取得でき、オフラインでの解析が行えます。

溶接のハイスピード溶接可視化とは?

ハイスピードカメラと白色高輝度照明を使用し、強発光を伴う溶接加工部の可視化をおこなう手法です。通常のデジタルカメラやスマートフォンでの撮影では、レーザー加工部で発生するプラズマ強発光の影響から画像が白く飽和してしまうため、強発光の影響を低減した撮影が難しい現象であることは周知の事実でしょう。

溶接時の強発光を低減するためには、レンズの絞りや減光フィルターなどで強発光の光量を低減した撮影をおこないますが、自発光しない加工部周辺は暗くなり、レーザー加工部全体を鮮明に撮影することができません。
レーザー加工部全体を鮮明に撮影するためには、プラズマ発光と同程度の強力な白色照明やレーザー照明を照射することで、加工部全体を明るく鮮明に撮影することができます。

当社では、新型センサーを搭載したカラーハイスピードカメラと高輝度白色照明を併用した「カラー画像の可視化」と、更に強発光を伴うアーク溶接の撮影では短パルスレーザー照明とモノクロハイスピードカメラを使用した「モノクロ画像の可視化」の2つのシステムのご提案が可能です。

ハイスピードモノクロ可視化とは?

短パルスレーザー照明とモノクロハイスピードカメラを使用した可視化手法です。
レーザー照明照射波長と同じ波長のみを透過するバンドパスフィルタを併用することでプラズマ光・プルーム・ヒューム光の強発光をカットします。
レーザー照明を加工部全体に照射するため、加工部全ての状況把握に適しています。
レーザー溶接においては、照明は1μsの短パルス照射で撮影をおこなうことから、非常にシャープな画像取得が可能でレーザー微細加工時のスパッタ挙動観察などにも最適です。
各種レーザー溶接・MIG/MAG/TIGなど強発光を伴うアーク溶接の可視化など、溶接の種類を問わず撮影が可能です。

ハイスピードカラー可視化とは?

カラーハイスピードカメラと、高輝度白色照明を併用した可視化手法です。
従来のカラーハイスピードカメラでは強発光を伴う溶接の可視化は白く飽和した画像取得となり(ダイナミックレンジが狭いため)カラー可視化は困難でした。
新型カラーハイスピードカメラPhantom VEOシリーズは、高ダイナミックレンジ・超低ノイズ・高い色再現性を可能とした新型CDSセンサーを搭載したことで、強発光を伴うレーザー溶接加工時の様子を鮮明に画像取得することが可能となりました。
モノクロ画像と比較しカラー画像では、溶融金属のエッジ検出(溶融部と凝固部のエッジ検出)やプルームの発光波長、金属表面の被覆や加工部周辺(樹脂系部品)への入熱変化、その他ケミカル発光波長などの検出も可能となり、レーザー溶接における最適な条件出しツールとして活用いただけます。

モノクロカメラとカラーカメラの画像比較

モノクロ画像は溶融部全体が白黒表現に対して、カラー画像は赤熱している溶融部と凝固部のエッジや溶融湯流れの状況が鮮明に確認できます。

サンプル
サンプル

対応する溶接の種類

強発光を伴うアーク溶接から、10kW以上の高出力レーザー溶接、アークとレーザーを融合させたハイブリッド溶接、金属3D積層、レーザー溶断、レーザー微細加工など、さまざまな溶接の可視化に対応可能です。鮮明な可視化をおこなうためには、様々な高品質レンズ、拡大用途に使用する高レンズ分解能のマイクロスコープレンズ、微細撮影をおこなうさいに有効な微動ステージや特殊カメラ固定冶具など、可視化を簡便におこなうためのオプションツールもご用意し、皆様の撮影のお手伝いをさせていただきます。
※クリックでムービーが開きます

レーザー/アークハイブリッド溶接の動画

レーザー/アークハイブリッド溶接

〇〇の様子

TIGアーク溶接

レーザー微細加工

レーザー微細加工

レーザー溶接

レーザー溶接

レーザーアブレーション

レーザーアブレーション

レーザークラッド溶接

レーザークラッド溶接

工業分野におけるハイスピード溶接可視化の「可視化事例」

可視化にはカラーとモノクロがあり、それぞれメリットがあります。

モノクロ/短パルスレーザー照明 可視化事例

【使用機材】

  • ハイスピードカメラ Phantom VEO
  • 短パルスレーザー照明CAVILUX HF640
  • 640nm ±5nm バンドパスフィルター

【事例のポイント】

従来の、フィルターのみをつけて可視化する手法では溶融部以外の状態が見えませんでしたが、溶接可視化用レーザー照明CAVILUX Smartを使用することで、鮮明に見えるようになりました。

カラー可視化事例

スポット溶接

TIGアーク溶接

【使用機材】

  • ハイスピードカメラ Phantom VEO 1310
  • 高輝度白色照明

【事例のポイント】

当社取り扱いの高感度・低ノイズハイスピードカメラと新型LED照明を使うことで、カラー可視化を実現しました。

ハイスピード溶接可視化の「従来の可視化との違い」

バンドパスフィルターを使用した「従来の可視化との違い」
画像は強発光を伴う熱間鍛造物をチャックし移動する様子を可視化したものです。画像は左からそれぞれ通常の撮影、950nmのバンドパスフィルタを使用した撮影、バンドパスフィルタと短パルスレーザー照明Caviluxを使用した画像となります。
バンドパスフィルタのみの場合はアーク光を抑えられていますが高温金属の自発光しか確認することができず、周囲の状況は暗く確認ができません。
Caviluxを使用することで、強発光材料・周辺も含めたすべての状況を観察することが可能となります。

可視化からの数値解析

溶接中のアーク光やプラズマ光が邪魔になり鮮明な可視化が難しかった溶接現象ですが、高性能ハイスピードカメラやレーザー照明・高輝度白色照明とのシステム化により鮮明な画像取得が可能となり、画像処理技術を組み合わせることで、溶接現象の数値化・定量化が可能となりました。

 

レーザ溶接は、高速で加工できることや自由な位置・方向から溶接ができること、微細加工に適しているなど、多くの利点がありますが、反面、

  • 急速な冷却による割れ
  • 溶け込み不良
  • 吸収率の違いに伴う波長選定

など、高品質なレーザー加工を行うためには課題も多いです。

これらの課題解決のツールとして『溶接中の視える化・数値化』が注目されています。

レーザー溶接可視化

レーザー溶接可視化

このような課題を解決します。

  • 接合不良の原因がわからない
  • 汚れや劣化による消耗品
  • 最適な加工条件出しに時間がかかっている
  • 溶接の再現性が低い

数値化

レーザー溶接可視化

レーザー溶接可視化からの数値解析

このような課題を解決します。

  • 定量的に溶接条件を評価したい
  • スパッタ、プルームなど細かい課題を解決したい
  • 温度やひずみを非接触で計測したい

解析例

可視化からの数値解析

溶接のハイスピード可視化に使用する機材一覧

溶接のハイスピード可視化では、ハイスピードカメラに加え、被写体に応じたレンズや設置治具、高輝度照明を使用します。

可視化からの数値解析

設置例

ハイスピードカメラは、場所に応じて三脚やアルミフレーム、ジャッキなどを使い最適な角度で観察できるように設置します。
ハイスピードカメラPhantom VEOシリーズは125mm立法と小型で、設置が簡単に行えます。

〇〇の様子
〇〇の様子
〇〇の様子
〇〇の様子
ハイスピードカメラ Phantom VEO CDS搭載機

ハイスピードカメラ Phantom VEO CDS搭載機

最新のCDSセンサーを搭載したPhantomVEOは小型125㎜立方、2.7kgの軽量ボディに最新のテクノロジーを搭載したオールインワンモデルです。毎フレーム暗部ノイズの除去を行う「CDS機能」が搭載されており、ノイズが非常に少ないことが特徴です。

【特徴】

  • 高ダイナミックレンジ
  • 超低ノイズ
  • 高い色再現性
  • 高い濃度安定性

上記のように、画質が非常に高いため、強発光を伴う様々な溶接金属加工の可視化だけでなく、画像解析にも優れた性能を発揮いたします。

白飛びしづらい、画像補正にも耐えられる高ダイナミックレンジ

VEOシリーズは、広いダイナミックレンジが特徴です。ダイナミックレンジが広いことで、白飛びを抑えて、明るいところから暗いところまで鮮明に撮影できます。
また、暗い映像であってもソフトウェア上でゲインアップが可能です。この際にもダイナミックレンジが広いことで、白飛びや黒つぶれが低減でき、鮮明な可視化ができます。

ダイナミックレンジの比較 ハイスピードカメラPhantomはダイナミックレンジが広くプラズマ強発光の影響を低減して鮮明な可視化が可能!
明るさ標準は全体的に暗く、加工部周辺の確認はできない 明るさゲインアップ後はゲインアップしても明るく、ノイズが少ない。画像全体の状況観察に適している
明るさ標準は全体的に暗く、加工部周辺の確認はできない 明るさゲインアップ後はゲインアップしても明るく、ノイズが少ない。母材の輪郭や溶融の様子が鮮明に見える

高速データ転送 10Gbイーサネット搭載で、保存がスムーズ

CFast

VEOシリーズは、広いダイナミックレンジが特徴です。ダイナミックレンジが広いことで、白飛びを抑えて、明るいところから暗いところまで鮮明に撮影できます。
また、暗い映像であってもソフトウェア上でゲインアップが可能です。この際にもダイナミックレンジが広いことで、白飛びや黒つぶれが低減でき、鮮明な可視化ができます。

小型・軽量・堅牢ボディ

VEO寸法

125mm立方(Lモデル)の小型ボディーに、最新のテクノロジーを搭載したオールインワンモデルです。
カメラ本体重量も2.7kg(Lモデル)と非常に軽量で、狭いレーザー加工装置への設置・撮影など、これまで今まで困難だった撮影を可能にします。
また、Phantom VEOは堅牢性にも優れ、通常モデルは30G、メカニカルシャッタ非搭載モデルは100Gの耐衝撃性を有し、過酷な撮影状況にも対応します。

主仕様・モデル比較

  超高画質・高感度・高速度モデル
  VEO 610 VEO 1010 VEO 1310
  スタンダードモード
 
最高画素数(ピクセル) 1,280×960
撮影速度
(コマ/秒)
フルフレーム 5,610 8,420 10,860
640 x 480
ピクセル
15,530 23,300 30,030
最高 218,970 328,460 423,350
感度
(ISO/ASA)
モノクロ 80,000
カラー 8,000
最短露光時間 709ns
RGB調光型超高輝度LED照明

RGB調光型超高輝度LED照明(REVOX社製)

このLED照明は、超高輝度であるため、広い範囲を明るく照らすことができます。また、調光機能が搭載されているため、明るさを調整することで、必要な明るさに合わせて使い分けることができます。
溶接時のプラズマ発光よりも強力な光を照射することができます。

可視化用レーザー照明 CAVILUX HF(キャビラックスHF)

可視化用レーザー照明 CAVILUX HF(キャビラックスHF)

可視化用レーザー照明CAVILUX HF(キャビラックス HF)は、短パルス、高繰返し、高輝度、高出力の均一な照明用のダイオードレーザーです。単波長のレーザーにもかかわらず、干渉縞の出ない非コヒーレント設計で、高輝度で均一な光を照射出来ます。Smartと比較してより高速な現象や、高出力が必要な現象に滴定します。最短パルス幅は50nsです。

導入支援・アフターサポートについて

当社では、ハイスピードカメラを扱うのが初めての方にも快適にお使いいただけるよう、マニュアルの整備や遠隔での取扱説明、現地での設置導入などを行っています。ハイスピードカメラPhantomはアメリカ Vision Research社製品ですが、マニュアル、制御ソフトウェアは完全日本語対応しています。

計測請負・レンタル

ハイスピードカメラは、ご購入いただく以外に計測請負、レンタルもございます。
まずは技術相談からお気軽にお問い合わせください。

計測請負・レンタル

画像計測のプロフェッショナルが機材提案から撮影、データ提出まで行います。失敗できない実験や撮影人員が必要な場合に最適です。

  • 機材選定から撮影、データ提出まで当社が対応
  • ハイスピードカメラ初心者の方も安心
  • お客様は実験に集中いただけます

溶接のハイスピード可視化を見てみたい・試したい

溶接の見える化に課題がある方は、ぜひ一度お問い合わせください。ヒアリング後、ハイスピード可視化のデモを実施することも可能です。 そのほか、技術的な質問はお気軽にお問い合わせください。

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