クシクラゲの繊毛運動を顕微鏡で捉える - ハイスピードカメラによるメタクロナールウェーブの詳細観察
クシクラゲは、透明な体と美しい光の反射を持つ海洋生物で、クラゲとは異なる独自の生態系を持っています。円盤状の体には、「クシ板」と呼ばれる8列の繊毛があり、この繊毛を使って水中を移動します。クシクラゲは繊毛を動かすことで、ゆっくりと水中を漂うように進むのが特徴です。
クシクラゲの移動は、体の外側に配置された繊毛によって行われます。繊毛は波のように動き、その動きが水をかき出してクシクラゲを前進させます。この連続的な動きは「メタクロナールウェーブ」と呼ばれる波状のパターンを作り出し、クシクラゲが効率的に水中を移動できるようにしています。
繊毛の動きには、「有効打」と「回復打」という2つの段階があります。有効打では、繊毛が力強く後方に動き、水を押し出すことでクシクラゲに推進力を与えます。この動きがクシクラゲの前進を生み出す主な力です。一方、回復打は次の有効打に備えて繊毛を元の位置に戻す動作です。繊毛は「流れをよけるようにうねる動き」をし、水の抵抗を最小限に抑えながらスムーズに戻ります。
今回は、ハイスピードカメラMiroC321 カラーを実体顕微鏡に取り付けて、クシクラゲの繊毛打の様子を撮影しました。MiroCシリーズは、コンパクトかつ取り回しのしやすい設計が特徴です。ハイスピードカメラは、通常の観察では捉えられない高速な現象を詳細に観察することができます。詳しい仕様やデモのご依頼については、お気軽にお問い合わせください。
使用機材
- Phantom Miro C321 カラー
- Olympus製 実体顕微鏡
撮影条件
- システム:実体顕微鏡への取り付け
- 解像度:1920×1080 ピクセル
- 撮影速度:500 fps
- 露光時間:2 ms
- 視野:約1.3×0.8 mm
- 撮影協力:日本大学 野田先生
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