コロナ放電の紫外線を捕らえる!PhantomーUVで見るテスラコイル放電の瞬間
コロナ放電現象とは、高い電圧がかかる場所で空気中の分子(主に窒素や酸素)が電気の力で引き裂かれて光を放つ現象です。
送電線の電圧が高まると、特に電気が集まりやすい尖った部分(電線の端や接続部周辺)で放電が発生し、
青紫色の光とともに「ジジッ」という音が聞こえることもあります。
家庭でもプラズマボールを使って、コロナ放電(もしくはグロー放電)現象を身近に楽しむことができます。
しかし、コロナ放電現象は高速現象かつ紫外線(UV)を多く含んだ光を放つため、肉眼では見るのは困難です。
そのため、様子を詳細に捉えるには特殊な観察方法が必要です。
今回は、テスラコイルという装置で発生させたコロナ放電の様子を、UVハイスピードカメラPhantom T3610-UVで可視化しました(映像 中央)。
テスラコイルは非常に高い電圧を作り出して空気中で放電が起きやすい構造になっています。
UVハイスピードカメラPhantom T3610-UVは、紫外線をとらえることができるので、空気中の窒素や酸素が放つ紫外線の光や放電の進み方が詳細に映り、
通常のカメラでは見えない細かい動きまで観察できます。
また、紫外線発光の影響を確認するために、310nmのバンドパスフィルタを付けたUVカメラと、
可視光のみに対応した通常のハイスピードカメラPhantom T3610を用いて撮影を行い、映像を比較しました。
UVカメラでは紫外線領域での発光が明るく捉えられたのに対し、可視光カメラでは青紫色の光が映りましたが、
紫外線の発光は含まれないため、やや暗めの発光が見られました(映像 左)。
一方で、バンドパスフィルタを付けたUVカメラでは、310nmの特定波長のみを通して放電の紫外線部分を観察することができ、
放電によって放たれる紫外線だけを取り出して可視化することができました(映像 右)。
このように、PhantomーUVは紫外域の高速度現象を可視化できる業界唯一のUVハイスピードカメラです。
詳細な仕様やデモンストレーションのご依頼については、お気軽にお問い合わせください。
使用機材
撮影条件
- 解像度:512×256ピクセル
- 撮影速度:320,000 fps
- 露光時間:4.1 μs
高速現象の可視化・解析はノビテックにお任せください。
ノビテックでは、高速現象の可視化・解析に最適な動作計測機器、ソフトウェアを取り扱っています。
画像計測ノウハウを持ったスタッフに、ぜひお気軽にご相談ください。