建物の耐震実験では、揺れの強さを変えながら、建物の動きを計測し、見えるようにすることが重要です。この事例では、建物の模型を使い、揺れの速さ(周波数)を変えて実験しました。そのときの違いを、VENUS3D Rの「データ重ね合わせ機能」を使って分析しています。
また、VENUS3D Rには、揺れを起こす装置(加振機)の動きだけを取り除く機能もあります。これにより、建物そのものの揺れやズレ(変位)だけを正確に知ることができます。
この動画では、揺れの速さと大きさによって、建物のズレ(変位)と傾き(回転角)がどう変わるかを見えるようにしました。P1(黄色)は揺れが小さい場合、P2(青色)は揺れが大きい場合の動きの量を示しています。特に、建物の上の階の動きと傾きの変化を分析したところ、揺れが大きく、速くなるほど、上の階の揺れや傾きも大きくなることが確認できました。
これは、高層ビルがもともと持っている揺れやすい周期(固有周期)と、地震の揺れの周期が一致することで、揺れが増幅される共振が起きやすくなるためと考えられます。
このようにVENUS3D Rを使えば、揺れを比べる実験の結果を、誰にでも分かりやすく見せることができます。