ウエハー洗浄液の挙動
ハイスピードカメラPhantom v2640によるウエハー洗浄液の挙動
シリコンウエハー洗浄の挙動の様子をハイスピードカメラPhantom v2640で撮影した画像です。超高解像度での高速度撮影により、全体の挙動と部分的な挙動を一度に撮影することができ、洗浄液の広がり方やエッジからの飛び散る液滴形成挙動のメカニズム解析ができます。
ウエハー洗浄液の挙動について
シリコンウエハー基板や液晶カラーフィルター、硝子基板等の電子部品に生成した膜を落とす作業のことを基板再生洗浄と言います。基板洗浄は、成膜剥離とも言い、成膜は半導体や液晶といった精密な電子部品に真空蒸着やスパッタリングなどで、極薄膜をガラスや金属、シリコンウエハーの上に層を作る方法があります。
また、基盤を回転させてその上に膜となる液をたらし、焼成し薄い膜を作る方法もあり、洗浄工程においては、洗浄液の広がり方やエッジからの飛び散る液滴形成挙動のメカニズム解析が必要になります。
本事例は、シリコンウエハー洗浄の挙動の撮影事例です。ディスクを回転させ、洗浄液の全体の広がり方を撮影しつつ、エッジから飛び散る液滴形成の挙動を捉えられています。
局所的に、拡大しての中心部分の撮影やエッジの撮影は可能ですが、洗浄工程のメカニズム解析に有能なデータ取得に時間的、空間的にも一度で撮影できることが必要にもなりえます。
本事例で用いたハイスピードカメラPhantom v2640は、最高画像数2048x1952ピクセルで、6600コマ/秒撮影することができます。超高解像度で高速度の撮影が可能になれば、全体の洗浄液の広がり方や液滴形成箇所を確認しながら、一つの液滴を拡大しても十分な解像度が得られます。そのため、全体の挙動と部分的な挙動を一度で撮影でき、時間的・空間的にも関連付けながらの、メカニズム解析が可能になります。
また、液滴形成は常に円周上を動きながら形成されるため、拡大撮影エリアの指定が難しいですが、超高解像度ハイスピードカメラPhantom v2640であれば、広い範囲を撮影しておいて後に、拡大解析することができます。
機材セッティング
ディスクの回転による全体の広がりを正対の状態で撮影するため、真上より撮影を行いました。
使用機材
ハイスピードカメラPhantom v2640 モノクロ
撮影条件
・画像数:2048x1952ピクセル
・撮影速度:4000コマ/秒
・露光時間:100µ秒
試験条件
ディスク回転数:200rpm
結果説明
画像提供:群馬大学 大学院理工学府 知能機能創製部門 天谷賢児教授
シリコンウエハー洗浄液の挙動の様子をハイスピードカメラで撮影した画像です。本来の洗浄液は透明ですが、可視化のために白く着色し、撮影を行いました。洗浄工程においては、洗浄液の広がり方、エッジからの飛び散る液滴形成挙動のメカニズム解析が必要になります。今回の撮影に用いたハイスピードカメラPhantom v2640であれば、超高解像度での高速度撮影が可能なので、全体の洗浄液の広がり方や液滴形成箇所を確認しながら、一部分の液滴を拡大しても十分な解像度が得られます。
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