油圧バルブ内のキャビテーション

油圧バルブは、油圧ポンプから送り出された作動油の方向、圧力、流量を調整・制御する弁で、油圧ショベル等の建設機械で重要な役割を果たします。 今回は、油圧バルブ内のキャビテーションの様子をVision Research Inc.（米国）製ハイスピードカメラPhantom TMX7510のモノクロモデルとCAVITAR(フィンランド)製可視化用レーザー照明を用いて可視化撮影しました。

Phantom TMX7510はISO感度モノクロ：125,000、カラー：16,000とシリーズ最高感度を有し、フル解像度1280ｘ800ピクセル時に76,000コマ／秒の超高速撮影性能を備えたハイエンドモデルです。

照明として使用したCAVILUX Smart UHS(50W)モデルは最短10nsの超短パルス、高繰り返し、高輝度の均一な照明用のダイオードレーザーです。単波長のレーザーにもかかわらず、干渉縞のでない低コヒーレント設計で、高輝度で均一な光を照射できます。高速度カメラと同期を使用することが可能で高速現象をブレのない画像として捉えることが可能になります。

本事例では、76,000コマ／秒での撮影ですが、カメラのビニング機能を用いて、局所的に拡大し、640x384で30万コマ/秒で撮影も行いました。最速で175万コマ/秒で撮影可能です。これら高速度カメラを用いたキャビテーションの可視化、解明は油圧バルブの研究において最も重要とされる損失の低減、不具合の削減などの課題解決に必要な要素となります。今回使用しましたハイスピードカメラPhantom TMX7510は撮影速度、感度ともにシリーズ最高性能を有しており、高速現象を明るく鮮明に捉えることができます。また照明として使用しましたCAVILUXは高速度カメラと同期することが出来るので、カメラの露光タイミングに合わせ短いパルス照明を入れることにより、カメラのシャッター速度の限界を超え高速度現象をブレのない画像としてシャープに捉えることが可能になります。