TIGアーク溶接をカラーハイスピードカメラと高輝度LED照明で可視化
自動車部品製造、特にEVモータに使用される銅平角線のTIGアーク溶接の可視化を行いました。
色情報が必要な背景
これまで、アーク溶接の可視化はアーク発光自体が強発光体であることから、
- モノクロハイスピードカメラ
- 高繰り返しパルスレーザー照明
上記システムによるモノクロ映像取得が行われてきました。
しかし、溶接現場からは
- 溶融金属の色味(カラー)情報の取得
- アーク発光波長の時系列変化
- 溶融部と凝固部のエッジ検出のしやすさ
- 金属凝固部の熱伝導変化
上記要望からカラーハイスピードカメラによる可視化要望を多くいただきます。
そこで、高感度・低ノイズハイスピードカメラと新型LED照明を使うことで、カラー可視化を実現しました。
事例のポイント
これまでもカラーカメラと高輝度LED照明による可視化はなんども試されてきましたが、「明るいところに合わせると黒つぶれする」「暗いところに合わせると白飛びする」というジレンマをかかえていました。
これは主に、カメラのダイナミックレンジが狭いこととLEDの輝度が不足していることが原因でした。
ハイスピードカメラPhantom VEO 1310シリーズはダイナミックレンジが広く、量子効率(光をデジタルデータに変換する効率)がよいため、暗いところも鮮明に、明るいところは白飛びせず撮影することが可能です。
高輝度LED照明の進化もいちじるしく、約100mm3ながらアーク光に負けない高輝度で照射が可能です。
使用機材
- ハイスピードカメラ Phantom VEO 1310 カラー
- RGB調光型LED照明 前後2台
カメラに対して同軸方向、対向方向からそれぞれLED照明を照射しています。
撮影条件
- 解像度:1,280×960ピクセル
- 撮影速度:5,000fps
- 露光時間:1μs
- 100mmマクロ f32(フル絞り)
- 2倍テレコンバータ 2個(4倍拡大 1 / 16減光)
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