銅端子のヘアピンレーザー溶接のハイスピード可視化

車のEV化に必須な銅のモーターの端子(ヘアピン)の溶接可視化
銅のレーザー溶接は車のEC化に必須となる、重要な技術です。従来の車に関するモノづくりと比べて、更に要求仕様や不具合低減が求められる現状で、ハイスピードカメラと高輝度LED照明を用いた可視化は非常に有効です。
溶融が始まる様子や、ガルバノスキャナでサークルを描いているところが鮮明に可視化できています。
これにより最適な溶接条件を見つけ、生産効率向上・歩留まり向上に役立ちます。
銅のヘアピン溶接とは?
銅のヘアピン溶接とは、数ミリ角、長さ10センチ程度の銅の端子を2つ重ね合わせて、先端を溶接する加工です。
加工後の見た目がヘアピンに似ていることから銅のヘアピンと呼ばれています。
これをコイルの1つの端子として、円状に配置することでモーターのコイルが完成します。
従来のレーザー溶接と比べると、スパッタの飛散や、溶け込み量にシビアになる必要があります。
スパッタが他の端子に飛んでしまうと、思わぬ所で通電してしまい、不具合になりかねません。
また、溶け込み量が少なすぎる場合は溶接できていない、溶け込み量が多すぎる場合には下部の皮膜まで溶かしてしまうということからどちらも望まれません。
このように、銅のヘアピン溶接は難易度が高いため、自動車メーカー各社やレーザーメーカーは日々研究を行っています。
ノビテックでは、これらの自動車メーカーやレーザーメーカーと協力し、加工の最適化のために溶接の視える化を提案しています。
銅の溶接可視化とは?
銅の溶接可視化とは、ハイスピードカメラと可視化用照明を用いて加工光をカットし、溶融部が見えるようにすることです。
レーザー溶接の加工速度は非常に早いため、鮮明な視える化を行うためには10,000コマ/秒以上の高いフレームレートが求められます。
また、加工中の光を他の光源で打ち消すために強力な照明が必要となります。
ノビテックでは高輝度のLED照明を用いたカラーカメラでの可視化と、高輝度短パルスのレーザー照明を用いたモノクロカメラでの可視化の2つをご提案しています。
使用機材
結果説明
撮影協力:トルンプ株式会社
銅の端子溶接を鮮明に捉えることができました。
従来のモノクロ可視化では充分に観察することができなかった溶融部と凝固中の部分の境目がわかるようになり、溶接条件を正確に設定することができるようになりました。
ノビテックでは溶接の可視化に適したハイスピードカメラのラインナップ各種を取り揃えております。各種デモやオンラインでのご相談も承っておりますので、こちらよりお気軽にご相談ください。