銅端子のヘアピンレーザー溶接のハイスピード可視化
銅端子(ヘアピン)のレーザー溶接カラー可視化
①1060nmファイバーレーザーでの溶接可視化
撮影協力:トルンプ株式会社
②450nmブルー・515nmグリーンレーザーでの溶接可視化
銅端子のレーザー溶接を鮮明に撮影しました。
従来のモノクロ可視化では充分に観察することができなかった、溶融部と凝固中の部分の境目がわかるようになり、溶接の条件出しをより正確に行えるようになりました。
従来のモノづくりと比べて、更に仕様要求や不具合低減が求められる現状で、カラーハイスピードカメラと高輝度LED照明を用いた可視化は非常に有効です。
溶融が始まる様子や、ガルバノスキャナで軌道を描いているところが鮮明に可視化できています。
これにより最適な溶接条件を見つけ、生産効率向上・歩留まり向上に役立ちます。
銅のヘアピン溶接とは?
銅のレーザー溶接はモーター製造などに必須となる重要な技術です。
昨今では、車のEV化などに伴い、需要が急速に高まっています。
数ミリ角、長さ数センチ程度の銅の端子を2つ重ね合わせて先端を溶接する加工で、加工後の見た目がヘアピンに似ていることから銅のヘアピンと呼ばれています。
これをコイルの1つの端子として、円状に配置することでモーターのコイルが完成します。
従来のレーザー溶接と比べると、スパッタの飛散や、溶け込み量にシビアになる必要があります。
スパッタが他の端子に飛んでしまうと、思わぬ所で通電してしまい、不具合になりかねません。
また、溶け込み量が少なすぎる場合は溶接できていない、溶け込み量が多すぎる場合には下部の皮膜まで溶かしてしまうということからどちらも望まれません。
このように、銅のヘアピン溶接は難易度が高いため、日々研究が行われています。
ノビテックでは、加工の最適化のために溶接の視える化を提案しています。
銅のレーザー溶接カラー可視化とは?
銅のレーザー溶接カラー可視化とは、カラーハイスピードカメラと可視化用照明を用いて加工光をカットし、溶融部が見えるようにすることです。
レーザー溶接の加工速度は非常に早いため、鮮明な視える化を行うためには10,000コマ/秒以上の高いフレームレートが求められます。
また、加工中の光を他の光源で打ち消すために強力な照明が必要となります。
ノビテックでは高輝度のLED照明を用いたカラーハイスピードカメラでの可視化と、高輝度短パルスのレーザー照明を用いたモノクロハイスピードカメラでの可視化の2つをご提案しています。
使用機材
ハイスピードカメラ Phantom VEO1310
撮影条件
- バンドパスフィルタ+高輝度LED照明
- 解像度:1,280×800ピクセル
- 撮影速度:10,000fps