金属板を加熱した際の熱ひずみDIC解析
熱膨張のひずみを計測することは、材料工学や機械設計において極めて重要です。
温度変化により材料にひずみが生じて膨張または収縮する現象を熱膨張と呼びます。
材料の膨張は、異なる材料を接合する際に、各材料の熱膨張率の違いによって接合部に大きな応力を生じさせる問題を生じさせることがあります。
熱膨張率とは、材料が温度変化に応じてどの程度膨張・収縮するかを示す指標です。
本事例では金属板の中央部をバーナーで熱したときの熱膨張をハイスピードカメラで撮影し、非接触でDICひずみ解析を行いました。
通常のDIC計測ではランダムパターンを塗布しますが、今回塗装パターンなしで実施しました。
バーナーで熱した周辺のひずみ分布が確認できます。
今回とは違うケースですが、異なる材料が接合されると、各材料は温度変化に対して異なる割合で膨張または収縮します。
例えば、金属とプラスチックを接合する場合、金属は一般的に熱膨張率が低く、プラスチックは熱膨張率が高い傾向があります。
これは、温度変化によって金属に比べて、プラスチックは大きく伸び縮みすることを意味します。
温度が上昇すると、プラスチックが金属よりも大きく膨張しようとしますが、接合部で は互いに動きを制限し合うため、この異なる膨張がストレスを引き起こします。
具体的に は、熱膨張率の低い金属が膨張を抑える役割を果たし、結果としてプラスチックには引っ 張り応力が、金属には圧縮応力が生じます。
このような応力が接合部に集中することで、 材料にひび割れや剥離が発生するリスクが高まります。
このように熱ひずみを計測し、各材料の熱膨張の特性を理解することは材料工学や設計 に重要な役割を果たすことにもつながります。
使用機材
撮影条件
- 画素数:2560x1664 撮影速度:100 fps 露光時間:9.9ms
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