モーションキャプチャとは?原理や活用シーンを解説
人体の運動分析や機械の動作解析に役立つのが、モーションキャプチャです。
「研究に導入したいけど、どの方式がよいのか分からない」「名前は聞いたことあるけど、実際どんなことができるのか?」といった疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事ではモーションキャプチャとは?という内容で、その種類と活用例を紹介します。
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目次
モーションキャプチャとは?
モーションキャプチャは、人体や物体の動きを3次元で計測する手法です。
ゲームや映画のCGに実際の動きを当てはめる技術としてエンターテインメント分野で活用されているほか、スポーツや作業者の動作解析、機械挙動の計測といった研究開発分野にも使用されています。
導入するメリット
モーションキャプチャシステムのメリットは、高精度、リアルタイムに3次元座標を計測できることです。
ビデオカメラなどの画像計測では、2次元的に動きが見えるので、奥行き情報や死角になっている部分の動きの計測が困難です。
対して光学式モーションキャプチャは、高精度な3次元座標情報を算出できるので、様々な動きを簡単に計測できます。
モーションキャプチャシステムの種類とその活用例
モーションキャプチャは、計測の目的や方法によって種類が分かれています。
以下でそれぞれの方式について紹介します。
光学式について
光学式モーションキャプチャは、専用カメラと、光の反射率が高い球型マーカーを使用して計測をするシステムです。
カメラから赤外線を照射し、反射マーカーが光を反射することで、座標を割り出します。
カメラを複数台使用し、三角測量の原理で3次元の座標を算出します。
計測対象に球体のマーカーを貼り付けるだけで3次元座標を計測することが可能です。
慣性式について
慣性式モーションキャプチャとは、ジャイロセンサや加速度計を身体に装着し、位置や姿勢を計測する方式です。
また、センサの向きを算出するために、地磁気センサを内蔵していることが多いことが特徴です。
光学式と比較すると、相対座標に強い一方で絶対座標では計測精度が低いことや、蓄積誤差が発生しやすくなるといった欠点があります。
一方で、カメラを使用しないことから、計測場所の制限が少ないというメリットがあります。
画像式について
画像式モーションキャプチャは、光学式モーションキャプチャのベースとなる計測方式です。
家庭用ビデオカメラや、ハイスピードカメラで撮影された画像から座標を算出する計測方式です。
1台のカメラからは2次元の情報しか計測が出来ませんが、複数台のカメラを使用することにより、3次元座標が算出できます。
複数台のカメラから、3次元座標を算出するために、DLT法(direct linear transformation法)により3次元空間を定義し、各部位の3次元座標を算出します。
磁気式について
磁気式モーションキャプチャは、「磁界発生装置」と磁気センサーを使用する計測方式です。
磁界発生装置とセンサーの両方にコイルが組み込まれています。
磁界発生装置から2種類の磁界を発生させて計測を行います。
磁界を使用するため、金属などが近くにあると計測が難しいことが難点です。
機械式について
機械式モーションキャプチャは、機械的に角度を計測するポテンションメーターや、エンコーダの回転数などを使用して、身体の姿勢を推定する方式です。
ワイヤレスで計測等は簡単ですが、機器を直接身体に装着し計測を行うため、動作などに制限が出る可能性が高い方式です。
その他のモーションキャプチャ
最近では、画像処理、AIで人体の骨格推定を行い、計測を行うマーカーレスが人気です。
今後の人体計測では、より手頃な手法として幅広く使用されていく可能性があります。
モーションキャプチャにおける「3次元動作解析」とは?
「3次元動作解析」とは、人体や機械の動きを捉えることにより、その部分がどのように動いているか分析を行うことです。
単にモーションキャプチャでは、人体の動きを計測することで、CGに落とし込んだり、バーチャルYouTuberのようにリアルタイムに動きを表現するために使用されることが多いです。
対して機械の動きといった研究開発の分野では、動きを見るだけでなく、今の動きがどの程度あったのか等定量的に物理量データの算出をすることが求められます。
モーションキャプチャは3次元動作を高精度に計測が可能ですが、研究分野では、必要な物理量データを出すための解析ソフトウェアとの連携が必須となります。
3次元動作解析の導入例とメリット
3次元動作解析は、以下の分野で導入されています。
- スポーツ動作解析
- 機械挙動解析
- 振動解析
- 技能伝承
- 寸法計測
3次元動作解析を導入するメリットは、2次元で見えなかった動きをより詳しく、より精密に計測ができることです。
また、計測機器を設置する自由度が高くなり、動きの死角をなくしたりすることができます。
自社製品「VENUS3D R」の紹介
ノビテックは、動作をリアルタイムに解析・モニタリングできる3次元動作解析システム「VENUS3D R」を提供しています。
VENUS3D Rは、モーションキャプチャシステムから計測データをリアルタイムで受信し、計測を行いながら物理量数値の確認ができるソフトです。
また、他社モーションキャプチャシステムの計測データを読み込んで物理量解析をすることも可能です。
当社のVENUS3D Rは、3つの優れたポイントで動作解析を支援します。
簡単なセットアップ・操作
VENUS3D Rシステムは、カメラからケーブル一本で接続ができます。
カメラ間の同期ケーブルが不要なため、セットアップ時間が短く済みます。
また、優れたカメラ性能とキャリブレーション処理で、簡単な校正手順でも精度の高い計測を行えます。
直感的なメニュー内容や、マニュアルの充実によって初めて使う人でも簡単に操作できるので、これまでモーションキャプチャ、3次元動作解析を行ったことがない人にも最適なソフトです。
リアルタイムデータ出力および外部機器との同期計測
モーションキャプチャシステムでは、3次元座標の算出は可能でしたが、物理量データを算出するためにはオフラインでの解析が必要でした。
VENUS3D Rでは、モーションキャプチャで取得した3次元座標をリアルタイムに受け取り、物理量データを算出することができます。
数値化の例
- 変位
- 速度
- 角度
- 他20種類以上
これまでCSVに出力して別ソフトで処理していた手間が、VENUS3D Rならその場で計測・解析することが可能です。
ソフトウェアを弊社で開発
VENUS3D Rは自社開発しているシステムです。
解析項目の追加や新たな機能など、日々システムを進化させています。
お客様の要望に応じて特注を承っています。
また、お客様のシステムとの連携や自社開発のためのSDKも準備しています。
まとめ
この記事では、「モーションキャプチャとは?原理や活用シーンを解説モーションキャプチャって何?原理や活用シーンを徹底解説」という内容で解説を行いました。
モーションキャプチャを活用することで、動きの定量化や解析をより早くかつ視覚的に行うことができます。
特に、人体・運動計測や機械の挙動計測が得意ですので、計測の1手段として、ご認識いただければと思います。
当社ノビテックでは、3次元動作解析ソフト「VENUS3D R」でお客様の計測を支援します。
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