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衝撃波とは?原理や身近な例を解説

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衝撃波とは?原理や身近な例を解説

衝撃波とは?

衝撃波は、物体が音速を超えて移動する際に発生する波のことです。

この波は、物体の移動によって周囲の気体分子が圧縮され、高温・高圧の状態が形成されます。

そして、この圧縮波の移動によって衝撃波が形成されます。

衝撃波は、爆発や超音速飛行などの様々な現象で発生し、その破壊力の強さから工学や医学などの分野で積極的に研究が行われています。

衝撃波が発生する原理

衝撃波は、物体が高速で移動する際に、その前方の気体や液体を押しのけることによって、密度が高く圧力が高い領域が形成され、それが波として伝わることによって生じます。

物体の高速移動によって、周囲の気体や液体の密度が急激に変化し、圧力が高い領域が形成されます。

圧力が高い領域が周囲に波として伝わり、衝撃波が発生します。

衝撃波は、通常の音波とは異なり、圧力の変化が急激であるため、破壊力が高くなります。

衝撃波が発生するためには、物体の速度が周囲の気体や液体の音速を超える必要があります。

この速度を超えると、通常の音波が追いつかず、圧力が急激に増加するため、衝撃波が形成されます。

身近な衝撃波の例

自然現象:雷の音

 

身近な衝撃波の例としては、自然現象での雷の音が挙げられます。

雷は、大気中で起こる強力な放電現象です。

雷が発生すると、非常に高い電流が短時間で流れるため、周囲の空気が急激に加熱されます。

この急激な加熱により、周囲の気体が膨張し、密度が低くなります。

雷の放電が起こる際に、放電の進行方向に沿って圧縮波と膨張波が発生します。

圧縮波は、雷の放電によって急激に加熱された空気が膨張することで形成され、高圧の領域を作り出します。

一方、膨張波は、周囲の空気が雷の放電による熱によって急激に膨張することで形成され、低圧の領域を作り出します。

この圧縮波と膨張波が周囲の空気中を波として伝わります。

その結果、衝撃波が発生します。

医療分野:衝撃波治療

 

医療分野において衝撃波は治療法の1つとして活用されています。

この治療法では、特殊な機器を使用して、衝撃波を患部に照射します。

衝撃波が体内の組織に伝わると、その波エネルギーが治療効果をもたらします。

例えば、筋肉や腱の炎症、慢性的な痛み、難治性の潰瘍などの治療に応用されます。

治療では、衝撃波が痛みや炎症を軽減し、組織の修復や再生を促す効果が期待されています。

衝撃波に関連する研究

キャビテーションによる衝撃波

衝撃波に関連する研究としては、キャビテーション現象があります。

キャビテーションとは、水中の気泡が急激に膨張・収縮することによって、衝撃波が発生する現象です。

キャビテーションから発生する衝撃波エネルギーが船舶やプロペラの破損の原因になることがあり、安全性の向上を目指し海洋工学で研究が進められています。

 

デトネーションによる衝撃波

デトネーション(爆轟)とは、爆発的に燃焼するとき、火炎の伝播速度が音速を超える現象です。

ダイナマイトを雷管で点火したときや、雷汞 等の鋭敏な爆薬に点火したときに起こります。

衝撃波の可視化手法

ハイスピードカメラと短パルス照明

衝撃波は音速を超える超高速現象です。

一般的なビデオカメラの撮影速度、シャッタースピードでは挙動を捉えることはおろか、ブレなく撮影することは困難です。

ハイスピードカメラと短パルス照明を組み合わせることで、衝撃波の流れを細かく撮影することができ、最短10ns(1億分の1秒)の超短パルス照明によって衝撃波の輪郭を鮮明に捉えることが可能になります。

この動画では、ガスガンから射出された弾丸を10万fpsで撮影しています。

カメラで撮影すると衝撃波がブレてしまうため、1フレームあたり10nsだけ強力に発光するレーザー照明「CAVILUX」を使用することで残像感少なく撮影することができました。

ガス銃から射出された弾丸の衝撃波・デトネーションの可視化|衝撃波・デトネーションの可視化-株式会社ノビテック (nobby-tech.co.jp)

ハイスピードカメラとシュリーレン法

シュリーレン法とは流体や気体中の密度変化や屈折率の変化を可視化するために使用される光学的な実験手法です。

この方法は、流体の不均一性や衝撃波、温度勾配、圧力勾配など、流体力学や気象学、物理学などの研究分野で広く活用されています。

点光源の光を光学系により平行光束とし、観測空間を通過させた後に再び光束を集束させます。

その焦点部分をナイフエッジで遮ります。

観測空間に屈折率のムラがあると光が歪み焦点がずれます。

ナイフエッジで遮られたムラははっきり目に見えるようになります。

これにより衝撃波と周辺大気との密度分布が明暗のコントラストとして、観測できます。

ハイスピードカメラとシュリーレン法による圧力波の可視化|メディア (nobby-tech.co.jp)

衝撃波について まとめ

このように衝撃波は様々な分野で研究が進められており、航空宇宙・防衛・産業技術の発展に大きく貢献しています。

ノビテックでは衝撃波の可視化に関する機材とノウハウを持っています。

可視化のご相談は以下のボタンからお気軽にご連絡ください。

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