ハイスピードカメラによるレーザー溶接可視化手法の比較

【レーザー溶接の計測事例】
ハイスピードカメラによるレーザー溶接可視化手法の比較
ファイバーレーザー溶接をハイスピードカメラPhantomとレーザー照明CAVILUXを用いて可視化しました。バンドパスフィルタのみを使用した手法と比べてビードの形成状態などがより鮮明に観察できます。
レーザー溶接とは
レーザー溶接は非常に加工速度が速いため、ビデオカメラの撮影コマ数(1秒あたり30~60コマ)では捉えることが出来ません。そういった高速現象の撮影にハイスピードカメラ Phantomは非常に有効です。1秒間に1000~数万コマという撮影速度により、人間やカメラで捉えられない高速現象を可視化することができます。同時に、レーザー照明CAVILUXを使用する事により、ワーク全体を明るく映し出すことができます。
特に、近年レーザー加工は微細化が進んでおり、小さいものではマイクロメートル単位での加工が求められます。また、銅材で作るコイルの溶接などではスパッタの飛散が許されないなど、レーザー加工に求められる精度が非常に高まっています。そういった微細化するレーザー加工に対して、より高精度な条件だしツールとしてハイスピードカメラ Phantomとレーザー照明 CAVILUXのセットが非常に有用です。
機材セッティング
加工点にハイスピードカメラPhantomを向け、その部分にレーザー照明CAVILUXを照射しています。

使用機材
ハイスピードカメラPhantom Miro LC310(現行機VEO E-310 相当機)

・フレームレート:5,900コマ/秒
・画素数:640x800ピクセル
可視化用レーザー照明CAVILUX Smart

・出力500W
・波長:810nm
結果説明
撮影協力:広島大学 山本先生
映像 左 :
ハイスピードカメラで見たレーザー溶接(フィルター・照明なし) 加工用レーザーは高速かつ、強発光のため、カメラ単体の撮影では光っている部分しか見えません。
映像 中央:
バンドパスフィルタ 810nmを使用した撮影 特定波長のみを通すフィルターをつけることがレーザー溶接の可視化においては必須となります。これにより、光量を減らすことができ、溶融池の輪郭やヒュームが見えるようになりました。この映像では、810nmの波長だけを通すバンドパスフィルタをレンズに取り付けています。
映像 右:
レーザー照明CAVILUX+バンドパスフィルタ 810nmを使用した撮影 フィルター装着のみですとワークの周りまで減光されてしまうため、ワークの様子やビードを観察することができません。レーザー溶接中にワークやビードの様子まで鮮明に可視化・観察する手法として、レーザー照明 CAVILUXを使用する方法が挙げられます。レーザー照明 CAVILUXは810nm(または640nm)の単波長を連続照射することができる照明です。フィルターでレーザー光をほとんどカットでき、レーザー照明 CAVILUXの照明のみがフィルターを透過するため、照明に照らされた部分だけを観ることが出来ます。それにより、ワーク本体、溶接ビード部、溶融池のすべてが可視化・観察できる映像を撮影することができるようになります。
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