1. HOME
  2. メディア
  3. ハイスピードカメラ ハイスピードカメラ-計測事例
  4. 燃焼・放電分野におけるUVハイスピードカメラの事例集

燃焼・放電分野におけるUVハイスピードカメラの事例集

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
燃焼・放電分野におけるUVハイスピードカメラの事例集

本ページでは、UV領域に波長感度を持つ業界初のハイスピードカメラ「Phantom UVシリーズ」の使用事例について解説します。

ハイスピードカメラPhantom UVシリーズとは?

ハイスピードカメラPhantomは、アメリカのVision Research社が製造する世界トップシェアのハイスピードカメラブランドです。国内外の著名な論文でも数多く使用されています。

これまでの一般的なハイスピードカメラは、主に人の目で見える可視光の範囲しか撮影できず、紫外線(UV)領域の撮影はできませんでした。

また、これまでUV波長の撮影には「イメージインテンシファイア(I.I.)」という装置が必要でしたが、この装置は取り扱いが難しく、システム全体も大型になりやすいという問題がありました。

また、I.I.を使うと映像にノイズが発生しやすいという課題もありました。

図:イメージインテンシファイアの構成イメージ

 

Phantom UVシリーズのハイスピードカメラは、UV波長まで撮影可能な特殊なセンサーを搭載しており、OHラジカルなど、これまで撮影が困難だった現象の可視化が可能になりました。

また、I.I.が不要になったため、カメラシステム全体をコンパクトにでき、実験効率も向上します。

本ページの事例では、中程度の性能を持つPhantom T3610-UVを使用しています。

Phantom UVシリーズは性能に応じて全6機種が用意されており、最も高性能なモデルPhantom TMX 7510-UVでは、1,280x800ピクセルの解像度で最大76,000fpsでの超高速撮影が可能です。

 

燃焼

本項目では燃焼分野におけるハイスピードカメラPhantom UVシリーズの使用例を掲載します。

主なターゲットとなるフレームレートは10,000~100,000fpsと高く、現象を詳細に見るためには解像度と撮影速度の両面が求められます。

水素燃焼エンジン向け OHラジカルの可視化

画像提供:千葉大学 環境・熱流体エネルギー分野 森吉・窪山研究室

OHラジカル発光の310nmにおける可視化を実現しています。

1,280x800ピクセルと、詳細に解析できる解像度でありながら10,000fpsと高いフレームレートで撮影しています。

 

使用機材

 

撮影条件

  • 画素数:1,280x800ピクセル
  • 撮影速度:10,000fps
  • 露光時間:99.9us

カーボンニュートラルに向けて 水素とアンモニアの混合気体

画像提供:九州大学 オカフォー先生

バンドパスフィルターを装着することで、310nmだけを撮影できます。

外すと、センサーがもつ波長感度のすべての波長における光が撮影できます。

 

使用機材

 

撮影条件

  • 画素数:1,280x800ピクセル
  • 撮影速度:500fps
  • 露光時間:1.99ms

大型船舶用エンジンの研究 ディーゼル燃焼のOH発光可視化

画像提供:海洋技術安全研究所

海洋技術安全研究所では、国内最大級の船舶用大型可視化エンジンを所有しており、ディーゼル・水素など様々な燃料における可視化試験を行うことが可能です。

 

使用機材

 

撮影条件

  • 解像度:1,280×800 ピクセル
  • 撮影速度:20,000 fps
  • 露光時間:49 us

放電

本項目では放電分野におけるハイスピードカメラPhantom UVシリーズの使用例を掲載します。

核融合反応のためのプラズマ研究 プラズモイド(プラズマの塊) 450,000fps

画像提供:日本大学理工学部 浅井先生

通常、I.I.を使用した発光現象の可視化では白飛びや暗部ノイズが目立ちますが、本事例のようにハイスピードカメラPhantom UVシリーズでは綺麗に撮影できています。明暗の間に細かな現象があっても見逃すこと無く観察ができます。

 

使用機材

 

撮影条件

  • 解像度:256×128 ピクセル
  • 撮影速度:450,000 fps
  • 露光時間:0.6 us

送電線などのコロナ放電研究に向けた可視化

コロナ放電現象とは、高い電圧がかかる場所で空気中の分子(主に窒素や酸素)が電気の力で引き裂かれて光を放つ現象です。

放電によって放たれる紫外線だけを取り出して可視化しています。

 

使用機材

 

撮影条件

  • 解像度:512×256ピクセル
  • 撮影速度:230,000 fps
  • 露光時間:4.1us

水処理,殺菌などに向けて 水中放電の可視化

画像提供:兵庫県立大学 岡先生

310nmの波長にて、I.I.不要で撮影に成功しました。

400,000fps(256x128ピクセル時)と非常に高い撮影速度ながら、ノイズが少ないことで現象を鮮明に撮影できています。

UVシリーズのハイエンドタイプであるTMX 7510-UVであれば、456,000fps(640x256ピクセル)と、5倍の画素数で撮影が可能です。

 

使用機材

 

撮影条件

  • 画素数:256x128ピクセル
  • 撮影速度:400,000fps
  • 露光時間:2.2us
  • ビニングモード(※4ピクセルを1ピクセルとして扱うことで撮影速度、ダイナミックレンジを向上させるモード)

UV波長の高速現象の可視化・解析はノビテックにお任せください。

ノビテックでは、高速現象の可視化・解析に最適な動作計測機器、ソフトウェアを取り扱っています。
画像計測ノウハウを持ったスタッフに、ぜひお気軽にご相談ください。



  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加