ガス銃から射出された弾丸の衝撃波・デトネーションの可視化
ガス銃から射出された弾丸の衝撃波・デトネーションの可視化
ハイスピードカメラPhantom V2512モノクロと可視化用レーザ照明CaviluxSmart UHSを使用し、ガス銃から射出された弾まわりの衝撃波・デトネーションの様子を撮影しました。撮影速度10万fpsで、波面がしっかりと捉えられ、後方のうろこの形状も鮮明に可視化できています。
デトネーションの様子をVision Research Inc.(米国)製ハイスピードカメラPhantom V2512のモノクロモデル及びフィンランド国CAVITAR社製Cavilux Smart UHSを用いて可視化撮影しました。Phantom V2512はISO感度モノクロ:100,000、カラー:10,000とシリーズ最高感度を有し、フル解像度1280x800ピクセル時に25,600コマ/秒の超高速撮影性能を備えたハイエンドモデルです。今回は10万fpsを768x288の解像度で撮影しました。可視化用レーザ照明Caviluxがカメラの露光時間と同期し、パルス幅10nsで光ります。そのため実質、ハイスピードカメラのシャッタースピードは10nsの高速シャッタで撮影できていることになります。以上から、衝撃波の波面の挙動がしっかりと捉えられています。
ガス銃とは
ガス銃とは、ガスを発射エネルギー源とする銃です。一般的に使用されているガス銃は圧縮ガス式空気銃とよばれ、小型ボンベに詰められた圧縮炭酸ガスを利用します。弾丸を装填して引き金を引くと、一発分に必要なガスが気化して弾丸の背後に噴出し弾丸が発射されます。
ガス銃から発射された弾のまわりにはデトネーション(爆轟)が発生します。デトネーションとは、爆発的に燃焼するとき、火炎の伝播速度が音速を超える現象です。ダイナマイトを雷管で点火したときや、雷汞 等の鋭敏な爆薬に点火したときに起こります。衝撃波が作られ、大きな破壊力を持ちます。衝撃波は、音速以上の速さで伝わる強烈な圧力変化の波です。
使用機材
ハイスピードカメラPhantom v2512
撮影条件
・バンドパスフィルタ 640nm使用
・画素数:768x288
・フレームレート:100,000fps
待望の低出力 50W 兼価版モデル CAVILUX Smart UHS
撮影条件
・パルス幅:10ns
結果説明
撮影協力:埼玉大学 前田先生
ガス銃より2500m/sの速度で射出された約10mm径の弾周りの衝撃波をCavilux smart UHSを点光源とし、シャドウグラフにて撮影しました。短露光時間10nsにより、衝撃波および、デトネーションによるうろこ状の波面が鮮明に撮影されています。Phantomv2512の最短露光時間は280nsです。この間、弾は0.625mm進むため、画像がややブレて見えます。そこでCavilux Smart UHSを用いてパルス幅10nsで照射すると、実質的にハイスピードカメラのシャッタ速度を10nsで撮影した結果と同一となります。10nsの間の弾の進行速度は0.025mmなので、ブレずにシャープな画像が撮影可能となります。
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