起爆コードや導爆線を用いた破砕・分離プロセスにおいて、火薬の燃焼から爆轟(デトネーション)に至る伝播挙動は極めて高速であり、肉眼や標準的なビデオカメラで詳細を捉えることは困難です。特に点火初期の火花の挙動や、コード内を伝播するエネルギーの均一性を評価する場合、μs(マイクロ秒)オーダーの時間分解能が求められます。
本事例では、カラーハイスピードカメラを用いて、起爆コードに点火した瞬間から火花が伝わり、最終的な爆発に至るまでの一連の過程を詳細に可視化しました。
こうした高速現象の観測には、以下の課題が存在します。
- 火花や爆発時の自己発光が非常に強く、画面全体が白飛びして細部が消失する。
- 伝播速度が数千m/sに達する場合、露光時間が長いと像が流れてしまい、正確な位置を特定できない。
- カラー撮影において、燃焼温度の変化に伴う色度情報を維持しつつ、ダイナミックレンジを確保する必要がある。
これらの課題に対し、Phantomシリーズに代表される超高感度センサーを搭載したハイスピードカメラを使用することで、極短時間の露光においても鮮明なカラー画像を取得できます。最短で1μs以下の露光設定を行うことにより、自己発光によるハレーションを抑制し、火花の粒子一つひとつの動きや、コードへの点火プロセスを理論的に解析することが可能です。
本撮影で得られたデータは、燃焼伝播速度の算出や、点火不具合の原因究明、さらには防爆設計の妥当性評価におけるエビデンスとして活用されています。 理論値通りのエネルギー伝達が行われているかを視覚的に検証することは、開発サイクルの短縮と安全性の向上に直結します。
今回の事例で活用したハイスピードカメラの選定において、特筆すべき性能は以下の通りです。
- 高精細なカラー階調を維持したまま、10,000fpsを超える高速サンプリングが可能。
- 短い露光時間でも低ノイズな画像を実現する高いISO感度。
- 爆発の衝撃波が到達する直前までの挙動を確実に記録するトリガリング機能。
本稿で紹介したような爆発現象や高速燃焼の可視化においては、対象物の輝度変化が激しいため、適切なレンズ選定や露光時間の設定、ダイナミックレンジが不可欠です。
本稿の内容について、より詳細な分析や数値データ、あるいは特定の研究目的に合わせた撮影手法をお求めの場合は、以下の点をご確認ください。
- 対象となる起爆コードの伝播速度の予測値
- 撮影に必要な空間分解能(視野範囲と必要ピクセル数)
- 燃焼温度に基づく特定波長の強調が必要か否か
これらの一次データや具体的な計測条件について、お客様の試験環境に合わせた最適な構成を提案します。





