火器の放火直後に発生するマズルフラッシュと弾丸の飛び出しは、極めて複雑な流体現象と高速物体移動が複合した現象です。
銃身内部の高圧ガスが解放される際に形成される衝撃波や、それに続く燃焼ガスの膨張、そして弾丸がガスを切り裂いて進む一連のプロセスはマイクロ秒単位で進行します。これらの現象を解明し、弾道特性や消炎装置の評価を行うためには、極めて高いフレームレートと、自発光現象を正確に捉えるカラー撮影技術が求められます。
本事例では、カラーハイスピードカメラを用いて、銃口付近で展開される高速動態を可視化しました。ハイスピード撮影により、目視では閃光と爆音としてしか認識できない以下の現象を詳細に観察できます。
- 弾丸が銃口から出る直前に漏れ出す先行ガス(プレショット・ガス)の挙動
- 弾丸の直後に噴出する超音速燃焼ガスによるマズルフラッシュと衝撃波の形成プロセス
- 燃焼ガス中を通過する弾丸の姿勢維持と、ガスによる加速・干渉の影響
本撮影では、発光を伴うガス挙動を色彩豊かに捉えるため、カラーセンサー搭載のPhantomシリーズが活用されます。銃口爆発は非常に高輝度な自発光を伴いますが、Phantomシリーズの広いダイナミックレンジは、発光中心部の飽和を抑えつつ、周囲に広がる低輝度な煙や衝撃波の輪郭を同時に描写することを可能にします。これにより、火炎の進展やガスの拡散状況をカラー情報に基づいて理論的に解析できます。
得られた画像データは、銃器設計におけるガス排出効率の最適化や、弾丸の初速安定性に関する研究において、数値流体力学(CFD)シミュレーションとの比較検証を行うための貴重な一次データとなります。カラー映像による視認性の向上は、現象の定性的な把握だけでなく、物理的な因果関係を解明する上で極めて有効です。





