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ハイスピードカメラの機能紹介

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ハイスピードカメラの機能紹介

<2点間計測> スライム落下時の伸長挙動と速度の可視化・計測

粘弾性流体や軟質材料の研究開発において、落下や変形時の挙動を正確に把握することは重要です。

しかし、スライムのように不定形に変化する物体の挙動は複雑であり、肉眼や汎用ビデオカメラでは、その瞬間的な変化を捉えきれません。

また、研究現場では現象の可視化にとどまらず、変形量や落下速度といった定量的なデータが求められます。

通常、映像解析には高価な専用ソフトウェアが必要となるケースが多く、手軽に数値化を行いたい現場にとっては導入の障壁となっていました。

本事例では、小型・堅牢なハイスピードカメラ「Phantom Miro C321」と、標準付属の制御ソフトウェア「PCC」を活用し、追加コストをかけずにスライム落下の挙動を可視化・計測した例を紹介します。

ハイスピードカメラによる撮影と計測

今回使用したPhantom Miro C321は、フルHD(1,920×1,080ピクセル)の高解像度で最大1,480fpsの撮影が可能なモデルです。

この高解像度・高速度撮影により、スライムが自重で引き伸ばされ、ネッキング(くびれ)が発生し、最終的に破断するまでの微細な挙動を鮮明に捉えることができます。

最大の特徴は、撮影したその場で長さや速度を計測できる点です。

Phantomに標準で付属するソフトウェア「PCC(Phantom Camera Control)」には、基本的な動画像計測機能が搭載されています。

これにより、撮影直後に現場で定量的な評価が可能になります。

PCCによる計測手順

撮影データの取得 Phantom Miro C321を使用し、1,000fpsでスライムが落下する様子を撮影します。

本事例では、スライムの粘性による伸長挙動を詳細に観察するため、解像度を優先した設定で撮影を行いました。

キャリブレーション PCC上で撮影データ(Cineファイル)を開き、画面内に写し込んだスケール(定規など)を基準に実寸合わせ(キャリブレーション)を行います。

操作は画面上の2点をクリックし、実際の距離を入力するだけで完了します。

2点間計測と速度算出 計測(Measure)ツールを使用し、スライムの先端と後端、あるいは落下点などの任意の2点を指定します。

これにより、フレームごとの「2点間の距離(伸び)」や「移動速度」が自動的に算出されます。

このように、撮影データから即座に時間経過に伴う変位グラフを作成したり、CSV形式で数値データを出力したりすることが可能です。

導入のメリットと活用シーン

Phantom Miro C321とPCCを組み合わせることで、以下のメリットが得られます。

コスト削減: 高価な解析ソフトウェアを追加購入する必要がありません。

効率化: 撮影から解析までを同一ソフトウェア内で完結できるため、データ移行の手間が省けます。

共有の容易さ: PCCはライセンスフリーであるため、複数のPCにインストールし、チーム内でデータを共有して解析を行うことが可能です。

この手法は、スライムのようなレオロジー分野だけでなく、樹脂やゴムの引張試験における破断の瞬間計測、液滴の滴下速度や分裂挙動の解析など、物理挙動の数値化が必要な幅広いシーンで有効です。

<追尾解析> ペンの転倒挙動解析(自動追尾)

製品開発における耐衝撃試験や重心設計において、物体が転倒する際の挙動解析は非常に重要です。物体がどのように傾き、加速し、衝撃を受けるのか。これらを理解するためには、映像を目視するだけでなく、動きを数値化(定量化)する必要があります。

通常、映像内の物体を追尾(トラッキング)してグラフ化するには、高価な専用モーション解析ソフトウェアが必要です。解析のためにデータを別ソフトへ移行する手間も発生し、迅速なフィードバックが求められる現場では課題となっていました。

そこで本事例では、ハイスピードカメラ「Phantom」と、標準付属の制御ソフトウェア「PCC(Phantom Camera Control)」のみを使用し、追加コストをかけずにペンの転倒挙動を自動追尾・グラフ化した例を紹介します。

高額ソフト不要 PCCによる「自動追尾」と「グラフ化」

使用機種は、堅牢で小型なハイスピードカメラ「Phantom Miro C321」です。1,000fpsでペンが倒れる瞬間を撮影し、そのデータをそのままPCC上で解析しました。

解析の手順

  1. 撮影データの取得
    Phantom Miro C321を使用し、1,000fpsの設定でペンが倒れる様子を撮影します。画像データ(Cineファイル)はそのままPCC上で開くことができます。
  2. 特徴点の指定と自動追尾
    PCCの「計測(Measure)」機能を使用します。画面上で追尾したい箇所(今回はペンの中心部にある特徴点)をクリックして特徴点として指定します。PCCは特徴点の輝度パターンを認識し、フレームごとにその位置を自動で追尾し続けます。
  3. 結果をグラフ表示(時間 ー Y変位)
    追尾完了後、解析結果をグラフ表示します。今回はペンの落下挙動に着目するため、横軸を「時間」、縦軸を「Y変位(高さ)」に設定しました。

計測結果

生成されたグラフでは、ペンがゆっくりと傾き始め、転倒に伴って落下速度が上がり、接地するまでのプロセスが明瞭な曲線として可視化されました。また、接地後のバウンド挙動についても、微細な変位として記録されています。

導入のメリット

このソリューションの最大のメリットは、「撮影画像からそのまま追尾計測ができる」という点です。
撮影から解析までを同一ソフトウェア内で完結できるため、データ変換や移行の手間がありません。

コストパフォーマンス:PCCはPhantomに標準付属するため、高価な解析ソフトを別途購入する必要がありません。

即時フィードバック:実験直後に現場でグラフを確認できるため、「想定より重心の移動が速い」といった気付きをその場で得られ、次の設計や実験に即座に反映できます。

ハイスピードカメラPhantomは、単なる「スローモーション撮影機材」ではなく、手軽な「挙動解析ツール」として、研究開発の効率化に貢献します。

使用機材

撮影条件

  • 解像度:1980 × 1080
  • 撮影速度:1,000 fps

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