生産設備のタクトタイム短縮に伴い、搬送装置の高速化が進んでいます。
これに比例して、目視では追えない「ワークの微細な位置ズレ」や「搬送爪のタイミング不良」といった間欠的な不具合が発生しやすくなります。
これらの事象を捉えるにはハイスピードカメラによる可視化が必須ですが、稼働中の工場内、特に設備の入り組んだ箇所では照明機材を設置するスペースがなく、撮影に必要な光量を確保できないという課題があります。
本事例では、高感度ハイスピードカメラPhantom Miro C321を使用し、追加の照明を用いず、室内の蛍光灯のみで撮影を行いました。
撮影速度は1,000fpsです。
一般的なビデオカメラ(30fps)と比較して高い時間分解能を持ち、高速移動する対象物であっても、モーションブラー(被写体ブレ)を抑制した鮮明な画像が得られます。
フルHD解像度の運用メリット
特筆すべきは、1,920×1,080ピクセルのフルHD解像度による運用メリットです。
従来のハイスピードカメラで一般的であったVGA解像度(640×480ピクセル)の場合、解像度不足を補うために撮影範囲を狭めて対象に寄る必要がありました。
対して本機材では、広い視野で設備全体を撮影しても十分な画素密度を維持できます。
そのため、撮影後にソフトウェア上でデジタルズームを行うことで、設備全体の連動性と、個別の機構部の微細な挙動を同時に検証可能です。
高感度センサーと高解像度の組み合わせにより、照明設置という準備工数を削減し、迅速かつ正確なトラブルシューティングを実現します。





