簡単に3次元座標を計測できる！キャリブレーションレスシステムの利用例を紹介
従来の3次元座標計測は、計測空間におけるカメラの相対的な位置と角度、空間の原点と座標軸を定義するダイナミックキャリブレーションが必要でした。しかし、弊社の、「V120 Series Duo/Trio」システムはその手間がなくなり、起動するだけですぐに3次元座標の計測が可能です。
そこで本記事では、「V120 Series Duo/Trio」の技術とその利用例を解説します。
V120 Series Trio
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この記事を書いているのは：株式会社ノビテック
ノビテックは光学式モーションキャプチャを活用した3次元動作解析システムVENUS3D Rを販売しています。
これまでシステムを構築、販売してきた実績と知識から現場に近い目線で解説します。
V120 Series Duo/Trioとは
キャリブレーションレスで3次元座標の計測が可能
Duoでは2台、Trioでは3台のカメラがユニット化されており、工場出荷時にキャリブレーション（校正）がされた状態になっております。そのため手間がかかるダイナミックキャリブレーションが実際の計測現場では不要となり、起動するだけですぐに計測を開始することができます。
セットアップが容易
既存のモーションキャプチャはカメラの配置が非常に重要です。画角の重なりや死角を考慮して配置する必要があり、初心者の場合は準備にかなり時間がかかります。しかし、Duo/Trioはカメラの視野が固定されているため、設置に大きく悩む必要はありません。また、セットアップはカメラとPCを専用アダプタで接続するだけでよいので、準備の手間もかかりません。また横幅がおよそ60cmと手軽に持ち運びできるサイズのため計測したい場所にカメラを持ってどこでも計測が行うことができます。
比較的安価に高精度な3次元座標計測が可能です。
Duo/Trioは、従来のモーションキャプチャシステムとは異なり、単体で計測が完了できるため、導入コストを大幅に抑えることができます。また、ライセンスの更新料や追加費用は一切不要な買い切り型のカメラシステムであるため、ランニングコストも発生しません。
利用事例
キャリブレーションが困難な特殊環境での計測
海や川などの水面上、あるいはカメラの設置や移動に制限がある場所では、従来の計測手法で必要とされるダイナミックキャリブレーションの実施が難しい場合があります。
Duo/Trioはキャリブレーションが不要なシステムであるため、こうした環境下における計測の制約を根本的に解消します。
生産ラインでの利用
Duo/Trioは導入のコストを抑えられることから、生産ラインのような流れ作業の現場において各工程の計測に利用することができます。各工程を3次元座標計測をすることで作業者やロボットの動作解析が可能になり、作業の標準化や作業記録の保存など、デジタル化をサポートすることができます。
レビュー動画
Duo/Trioがどのような計測に使用できるのか、実際に機材を用いて紹介します。
動画では、Trioを用いて物を手で運ぶ動作を計測しました。
ポイントデータとシーンカメラ（手元）
本計測は、製造ラインにおける作業者やロボットによる部品取り付け作業の精度管理を想定しています。
特定の箇所に配置された部品を、作業者やロボットが定められた正しい位置に正確に取り付けているかを詳細に計測し、その取り付け過程の記録を保存することが可能です。
本計測では、計測対象者（作業者やロボット）の指先などに、直径4mmの極小な反射マーカーを取り付けています。マーカーが非常に小さく軽量であるため、作業者やロボットの動作や作業効率へ与える影響は、ほぼ発生しません。
計測全体の様子
VENUS3D Rの機能には、リアルタイムで変位や速度を解析することが可能です。このリアルタイム性は計測からフィードバックまでの時間差が少ないことから、即座に動作の修正や問題点を確認することができます。例えば、動画では移動量の変位値をミリ単位で表示しているため、ロボットにおいては動作の以前と異なる位置に物を置いた場合、その行動を異常として検知することが可能です。他にも、作業者の速度が以前より下がっている場合は、作業者の疲労などが考えられヒューマンエラーを未然に防ぐことができます。3次元計測は、ロボットや人間の異常を検知することが可能です。
まとめ
これらのようにDuo/Trioではキャリブレーションレスで手軽に、そして安価にモーションキャプチャの計測ができます。
また当社では今回ご紹介したDuo/Trio以外のモーションキャプチャカメラもあり、機材選定から計測・解析までおまかせいただけます。デモ・製品へのご質問なども、お気軽にお問い合わせください。
