基盤へのねじ取り付けのような精密な組み立て工程では、作業者の指の微細な動作が作業品質や効率を左右します。これらの動作は属人化しやすく、定量的なデータ化が困難であるため、技能伝承やロボットティーチングへの応用が課題となっています。
モーションキャプチャシステムは、こうした指の複雑な動きを3次元座標データとして高精度に計測する手段を提供します。
計測方法
本事例では、光学式モーションキャプチャシステム(PrimeX13)とフィンガーモーションキャプチャ(ストレッチセンサ)を同期させ、ねじ取り付け作業における手の位置と、各指の細かい曲げ伸ばし動作を同時に計測しました。
計測結果と分析
計測されたデータは、まずMotiveソフトウェアによって3Dアニメーションとして可視化され、作業中の手の軌跡や指の動作を直感的に把握できます。
さらに、3次元動作解析ソフトウェアVENUS3D Rは、これらのデータを基に詳細な定量的分析を可能にします。一例として、ねじを回す際の「右手人差し指の角度変化量」を時系列データとして抽出し、グラフ化します。VENUS3D Rは、このように計測データから特定の動作パラメータ(角度、角速度、位置座標など)を容易に算出し、分析する機能を有しています。
効果と優位性
このアプローチにより、熟練者と非熟練者の動作特性を定量的に比較し、効率的な作業手順の標準化や、ロボットへの高度な動作教示に応用することが可能となります。




