小型超高画質ハイスピードカメラPhantomT1340による車両衝突試験
画像提供:帝金株式会社
今回は車止めへの車両衝突の瞬間を、小型超高画質ハイスピードカメラPhantomT1340を用いて1,000fpsで撮影しました。
衝突する瞬間の車体の変形や、エアバックの展開等をしっかりと確認することができます。
PhantomT1340は、小型・軽量な為、設置が容易で今回の様な屋外走行試験には最適です。
またISO感度も高いため、照明を使用しなくても、鮮明で明るい映像を取得することができます。
さらに、水平解像度が2,048ピクセルもあるため、細かい部品の飛散状況まで詳細に観察することができます。
従来の衝突試験における課題
一般的に車両の衝突試験は、1,024×1,024ピクセル、1,000fps程度で撮影します。
その為、一般的な車両の全体を撮影しようとすると、6~8m程度の水平方向の視野を確保する必要があります。
仮に水平方向の視野を8mと想定した場合、画素数は1,024ピクセルですので、1画素当たりの空間分解能は7.8㎜ということになります。
このような空間分解能では、衝突時の細かい変形や、破片の飛散状況などは、対象物が小さいため、鮮明にとらえることができません。
そのため、一般的な衝突試験においては、複数のハイスピードカメラを設置し、エリアごとに分割して撮影を行い空間分解能をあげることになります。
PhantomT1340導入によるメリット
しかし、PhantomT1340を用いれば、8mの水平視野であっても、2,048ピクセルという超高解像度で撮影できるため、今まで2台のカメラで撮影していたような空間分解能も、1台のカメラでとらえることができます。
また、屋外での試験となりますと、今までは電源の確保や設置の煩雑さ、照明装置の用意等、かなり大掛かりな撮影準備をする必要がありました。
しかし、PhantomT1340は小型・軽量、消費電力も少ないですので、設置が非常に容易です。
また、高感度センサーを搭載しているため、天候が曇りであっても照明が不要で、小型の発電機や汎用のバッテリを準備するだけで簡単に高速度撮影が可能となります。
ハイスピードカメラでの撮影には画像の転送時間がかかり、次の試験を行うまで画像転送を何十分も待たなくてはならないという問題がありました。
PhantomT1340には、10Gbイーサネットが標準装備されておりますので、大容量映像データも従来の10倍以上の超高速転送が可能となっています。
例えば、従来の1Gbイーサネットで10分程度の保存時間がかかっていたような映像でも、1分弱で保存を終えることが可能で、試験効率が格段に向上します。