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ハイスピードカメラで流れを測る PIV計測の仕組みと活用例

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ハイスピードカメラで流れを測る PIV計測の仕組みと活用例

本記事では、ハイスピードカメラPhantomのメーカーVision Research社が紹介する、粒子画像流速測定法(PIV)の計測方法と活用例を取り上げます。

同社の技術解説動画をもとに、流れの撮影から速度の算出までの仕組みと、計測に必要なカメラと照明の同期について紹介します。

粒子の動きから流れの速さを測る

液体や気体の流れを調べるには、どこで、どちらへ、どのくらいの速さで動いているかを捉える必要があります。

PIVでは、流れに追従するトレーサ粒子を使い、短い時間差で撮影した画像から各領域の速度を求めます。

流れの中にプローブを入れて測る方法と比べ、プローブによる流れへの影響を避けながら、撮影範囲内の速度分布を調べられる点が特徴です。

 

計測では、まず対象に適した粒子を流れに加え、薄いシート状のレーザ光で観測する面を照らします。

次に、粒子から散乱する光をカメラで撮影し、時間の異なる画像を小さな領域に分けて比較します。

相互相関によって粒子群の模様の移動量を求め、空間スケールと撮影の時間差を使って速度に換算します。

PIVの計測手順と光学系

 

ここで、個々の粒子を追い続ける粒子追跡流速測定法(PTV)と、PIVでは見方が異なります。

動画内3:13付近を参照してください。動画のコーヒーの泡を使った例では、PTVはそれぞれの泡の移動を追跡し、PIVは観測領域の流れを速度ベクトルで表しています。

粒子の軌跡を知りたいのか、ある領域の速度分布を知りたいのかによって、適した解析方法を考えます。

PTVとPIVの観測の見方

 

コーヒーの泡で比較するPTVとPIV

 

このように、PIVでは観測範囲の速度分布を画像から求められます。 その分布を使って、流れの構造や時間変化を調べます。

 

PIVによる流れの計測の利点

時間変化の観測と画像ペアの時間差

時間分解PIVでは、高い繰り返し周波数の光源とハイスピードカメラを使い、流れの変化を連続的に記録します。

一時点の速度分布に加え、渦や変動が時間とともにどう変わるかを調べるためのデータが得られます。

 

一方、2枚の画像の時間差を、通常のフレーム間隔よりも短く設定したい場合に使うのがフレームストラドリングです。

前のフレームの露光終了直前と、次のフレームの露光開始直後に、それぞれレーザを発光させます。

 

これにより、カメラの露光間にある短い非受光時間をまたいで、時間差の小さい画像ペアを取得できます。

この画像ペアの時間差と、速度場を連続して取得する頻度は、分けて考える必要があります。

短い時間差で2枚を撮れることが、その時間差の逆数で動画を連続記録できることを意味するわけではありません。 対象の流速と観測したい変動に合わせ、画像ペアの間隔と取得頻度を設定します。

時間分解PIVとフレームストラドリング



トレーサ粒子と光源を計測対象に合わせる

 

PIVの装置は、カメラだけでなく、トレーサ粒子、照明用レーザ、光学系、同期機器を組み合わせて構成します。 観測する面を照らし、その面にある粒子の像を撮影できるように配置します。

PIVの実験装置の構成

 

トレーサ粒子は、流れへの追従性と画像上での見え方を考えて選びます。 動画では複数の粒子の例を示し、測定対象に応じた選択を説明しています。

 

PIVに使うトレーサ粒子

 

光源と光学系も、観測範囲と撮影の時間条件に合わせて選定します。 粒子を写すための光量を確保するとともに、必要な時間に観測面を照らせる構成にします。

 

PIVの照明用レーザと光学系



レーザの発光と露光を実測して合わせる

フレームストラドリングでは、レーザの2回の発光を、別々の露光に収める必要があります。

動画では、発光タイミングがずれて2回とも同じ露光内に入ると、明るい画像と暗い画像が生じ、意図した画像ペアを得られない例を示しています。

 

この調整に使うのが、PhantomのプログラマブルI/Oです。

カメラとレーザの信号を接続し、オシロスコープとフォトダイオードで信号と実際の発光の時間関係を確認します。

その測定に基づいて遅延やパルス幅を調整し、発光を各フレームの露光に合わせます。 

PIVのレーザとカメラの同期



カメラは撮影速度と露光間の時間で選ぶ

PIV用カメラの選定では、フレームレートに加え、必要な解像度、光源との組み合わせ、記録容量、計測手法を確認します。

特にフレームストラドリングでは、露光間のストラドル時間が、設定できる短い時間差に関係します。

 

動画に登場するPhantom T4040は、2560×1664画素時に9,350fps、PIVモードのストラドル時間は364nsです。

つまり、フレームストラドリングモードを使用することで、粒子の2フレーム間移動時間を364nsにすることができます。

これによって、非常に素早く移動する粒子であっても計測することができます。

 

PIVでのハイスピードカメラ選定



航空宇宙から産業設備までの活用分野

PIVは、翼の周囲を流れる空気から、血流、撹拌槽の内部流動まで、さまざまな対象の解析に使われています。 動画では、代表的な用途として次の4分野が紹介されています。

分野 主な用途
航空宇宙 翼、翼型、後流の研究
バイオメディカル 血流や壁面せん断応力の測定、心室などを対象としたEcho-PIV
エネルギー タービン後流の構造、大気境界層(ABL)の流れ、汚染物質の拡散の解析
産業プロセス 撹拌槽、ポンプ、暖房や換気、空調を担うHVAC設備、スプレー、熱交換器の流動解析

これらはPIVの関連手法も含めた活用例です。 対象に合わせて撮影方法や粒子、照明、解析手法を選びます。

航空宇宙から産業プロセスまでのPIV活用分野



撮影画像から速度場を解析する

撮影後は解析ソフトウェアで画像を処理し、粒子の移動を速度場として表します。

撮影条件に加えて、解析する領域や処理条件も計測の目的に合わせて設定します。

 

 

環境中の粒子や生物がつくる流れへの活用

PIVを応用した研究は、工業装置の内部流動だけに限りません。

動画の16:40ごろからは、乱流中のマイクロプラスチック繊維を複数のカメラで撮影し、位置や向き、回転を調べる研究を紹介しています。

 

また、生物の研究では、フクロウが飛ぶ際の空気の動きが取り上げられています。

ヘリウム入りのシャボン玉を使って流れを可視化し、飛行に伴う流動を解析します。

見た目の動きと周囲の速度場を結び付けることで、飛行の仕組みを調べたり、計算モデルを検討したりするための情報が得られます。

フクロウの飛行を対象とした流れの研究

 

ノビテックでは、流体計測の対象や条件に合わせたハイスピードカメラの選定から、照明や同期を含む撮影方法までご提案します。

PIV計測や流れの可視化をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

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