1. HOME
  2. メディア
  3. 映像制作機器
  4. 映像制作に欠かせないカメラリグとは?種類や選び方、注意点まで解説

映像制作に欠かせないカメラリグとは?種類や選び方、注意点まで解説

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
映像制作に欠かせないカメラリグとは?種類や選び方、注意点まで解説

映像制作の世界で、プロの映像クオリティを追求するために欠かせないカメラリグ。

この記事では、カメラリグの基本的な概念とその役割を解説し、どのようにして映像制作のクオリティを向上させるのかをお伝えします。

これから映像制作を始める人や、映像業界に入りたての人は必見です。

  

カメラリグとは?

カメラリグとは、撮影をより便利に、かつ安定性を向上させるために使用する拡張パーツです。

  • ハンドグリップやショルダーパッドによる手振れや振動の抑制、フィールドワークへの最適化
  • 拡張ポイントの増設によるモニターアーム、簡易照明の一体化
  • 遮光版(マットボックス)やフォローフォーカス装着によるフォーカシングの向上

など用途は多岐にわたります。

アイテムの用途が多岐ゆえに装着するアイテムの種類や量は撮影スタイルによって変化しますが、よりプロフェッショナルな撮影を目的とするならば必要不可欠な要素となります。

カメラを安定させるための装置

カメラリグを使うことで、手ブレを防止するだけでなく、長時間の撮影でも疲れにくくなります。

また、カメラを自由自在に動かすことができるため、撮影の自由度が高まります。

しかし、リグを使う際には注意点もあります。

たとえば、重心位置が悪く、バランスがうまく取れていないと、カメラが傾いてしまい映像が乱れてしまうことがあります。

また、シーンに合わせたリグの使い分けや、パンやズームなどの撮影技術の習得が必要です。

撮影時の振動を軽減して映像の安定性を高める

カメラリグは、撮影時の振動を軽減し、映像の安定性を高める効果もあります。

主に静止画やビデオ撮影において、手ブレを軽減するのに役立ちます。

カメラリグは、カメラへの負荷を軽減し、カメラを高い位置で安定させることができます。

マイクやモニターの増設で利便性を高める

カメラ性能の向上によりマイク音質の向上や液晶の画質工場により、単体でも撮影可能な範囲が広がりました。

しかしながらそこに専用アイテムを追加することで撮影素材のクオリティアップを図ることは依然変わりありません。

一歩先の質を求めれば求めるほど様々なアイテムが必要になることと感じることが増えてきます。

カメラリグはそういった追加アイテムの増設マウンタの役割も持っています。

より実践的にカメラを使用していくにはベースとしてカメラリグが選択肢に上がります。

共通規格による撮影の多様性への対応

カメラリグは撮影の歴史とともに発展してきました。

多種多様なアクセサリは独自性や機能面も様々ですが、その中でも規格は守られています。

大きく分けて19mmと15mmのベース規格に分かれますが、そこをきちんと分けていれば装着可能の判断に困ることはほぼ無いと言えるでしょう。 

大手メーカー、老舗メーカーほどその基準は厳しくなっているため、単体でのアクセサリ増設の検討や複数カメラ、複数人員でのスタイルの変更にも柔軟に対応できることが規格の強みです。

カメラリグの使用シーン

フィールドワーク

 

カメラリグはドキュメンタリーやPVなど、動きの多い映像を制作する際におすすめです。

ドキュメンタリーなどの長編ではカメラを持っている時間が長く、ジンバルではバッテリーの持ちや重量があることからあまり使用されません。

カメラリグであれば両手でしっかりカメラを持つことで疲労軽減に繋がるだけでなく、スムーズなカメラワークにも繋がります。

また、外撮影ではコンクリートに落としてカメラを壊してしまうなどのリスクが伴います。

カメラリグの中に、直接衝撃が加わらないようにする「ケージ」があります。

ケージは軽量かつカメラボディを守るように設計されているので、万が一落とした場合でも傷や破損から守ってくれます。

スタジオ撮影

 

もちろん室内での撮影においても活躍します。

カメラトップへのモニター、収録機の増設は最近非常に多いスタイルです。

また、非常に精細なフォーカシングにはフォローフォーカスが必要となり、大型レンズ装着時の荷重バランスにはベースプレートやレンズサポートが前提となります。

複数人での運用をより効率よくするための物でもあり、カメラやレンズ破損、消耗を抑えるための物もあります。

これらは多岐にわたる用途のほんの一例です。

生配信

 

インターネット番組では、取り回しの良さや導入コストなどの面でデジタル一眼レフカメラが利用されるようになってきました。

とくに生配信では取り回しと画質のバランスから多く利用されるなかで、機材をコンパクトかつ安定して使うためにカメラリグが多く使用されています。

カメラの揺れやブレが発生すると、視聴者にとって映像が見づらくなってしまいます。

人の動きなどで光のバランスが崩れるとカメラの自動調整機能により色味の変化やピントずれの発生が起きてしまっている配信も少なくありません。

そういったときは専用ベースライトや遮光版の設置などを増設することによりほんの僅かな変化のストレスも軽減できます。

また、移動時にはグリップハンドルで素早く持ち運んだり、バッテリーやワイヤレス伝送の装置をケージにセットすることで、使い勝手に特化した構築も可能です。

カメラリグの種類

ベースプレート

 

ベースプレートは、カメラリグの中でも基本的な部品の1つであり、カメラの底部を支えるプレートです。

カメラの三脚穴に接続し、ネジを締めて固定します。

ベースプレートには、カメラとの互換性が重要なため、購入前に確認する必要があります。

ベースプレートの役割は様々ですが大きく3つのポイントがあります。

三脚側のネジ穴増設

ほとんどのカメラは三脚穴を1-2点しか持たず基本的には中心位置のみです。

ベースプレートは複数のネジ穴がついているものがほとんどで、これにより三脚との装着相性に悩むことが無くなります。

荷重バランスの調整

ネジ穴のポジションやプレート部やロッドの稼働により荷重バランスの調整が可能です。

多くのアクセサリや大型レンズを装着することにより前荷重、後荷重になりますが、それを放置しただと三脚からの転倒による機材の破損の危険性につながり、パンチルト時の安定性も保たれなくなります。

安定した撮影をするには荷重バランスを整えることが大前提となります。

光軸調整やアクセサリ増設

先に挙げた様々なアクセサリ増設の土台にもなります。

多種多様なアクセサリも軸や増設ポジションがずれていると役に立ちません。

センサー位置からの光軸の高さや適切なアクセサリポジションを調整できるよう設計されています。

カメラケージ

 

カメラケージは、カメラを保護するためのアクセサリーです。

カメラ本体を覆うように設計されており、外部からの衝撃や傷からカメラを守ることができます。

また、カメラケージには複数のマウントが備わっていて、様々なアクセサリーの取り付けが可能です。

たとえば、マイクやモニター、照明装置などを取り付けることができます。

さらに、カメラケージにはハンドルがついているものもあり、カメラの持ち運びや撮影が容易になります。

カメラハンドル

 

カメラハンドルは、手で持って撮影する際にカメラを安定させるための装置です。

サイドハンドルやトップハンドル、ローグリップなど撮影目的により装着ポジションは変わってきます。

カメラを手で持って撮影する場合、手ブレが起こりやすく、映像の安定性が低下します。

カメラハンドルを使うことで、シンプルにグリップポジションが増えます。

このことにより手ブレが軽減され、映像の安定性を高められます。

カメラハンドルは、メーカーや目的により形状や素材、重量などが異なります。

それによって、持ちやすさや安定性も変わるため、自分に合ったものを選ぶことが大切です。

撮影においてはショートショットやロー/ハイアングルなど、特定の撮影シーンで使いやすいことも特徴になります。

カメラハンドルを使用する撮影はカメラの位置を自由に調整し、撮影の自由度を高めることに繋がります。

ショルダーリグ

 

ショルダーリグは、肩に装着するタイプのカメラリグで、肩にカメラを乗せることで手ブレを軽減できます。

また、担ぐスタイルになるためハンドグリップ撮影と比べると、長時間の撮影でも疲れにくく、撮影の自由度が高まるため、映画やテレビでの動きの多い撮影でよく使われています。

ショルダーリグには、フロントハンドルやモニターマウントなどのアクセサリーを装着するこにより、単独での撮影でもストレスのない形態でシステムを構築可能です。

また、ショルダーパッドやベルトなどの調整機能もあり、ユーザーの体格や構築したシステムの大小に合わせた快適な撮影が可能です。

ショルダーリグは、カメラを吊り下げるために肩に相当な荷重がかかるため、バランスの調整が必要です。

カメラとアクセサリーの重心を考慮し、ショルダーパッドやベルトを調整してバランスをとりましょう。

つい軽さを追求しがちになり、引き算の考え方でシステムの簡易化をする人が多いですが、バランスを意識し、あえてカウンターウェイトなどを装着したほうがかえって軽さを感じたり疲労対策につながることも多いです。

カメラリグの選びかた・ポイント

カメラリグを選ぶポイントは、主に以下の3つです。

  • カメラとの互換性を確認する
  • 持ち運びやすさ
  • 撮影シーンに合わせた機能の有無

カメラとの互換性を確認する

カメラリグを選ぶ際にもっとも重要な要素のひとつが、カメラとの互換性です。

とくにカメラケージなどは専用に設計されているものも多くバージョン違いのカメラに対応していない場合があります。

そのため、使用するカメラとカメラリグの互換性を確認することが必要です。

カメラリグの販売元や製品ページには、どのようなカメラと互換性があるかが記載されています。

また、カメラリグの取り付け部分には、一般的なカメラ規格である「1/4インチ」と「3/8インチ」のほか、カメラメーカーごとに専用の取り付け規格が存在する場合があります。

そのため、自分の使いたいカメラに対応したリグを選ぶことが大切です。

さらに、カメラリグによっては、カメラの重量や形状によって安定性が変わる場合もあります。

とくに大型カメラを使用する場合は、重量に負けずにしっかりと安定させることが求められます。

持ち運びやすさ

カメラリグを選ぶ際には、持ち運びやすさも重要な要素です。

とくに映像制作の現場ではスピード感が求められるため、カメラリグを素早くセットアップしたり、移動したりすることが必要な場合があります。

また、屋外撮影を行う場合にはカメラやリグを運ぶためのバッグやケースも必要になるため、重さやサイズも考慮する必要があります。

カメラリグの種類によって、持ち運びやすさが異なります。

例えば、カメラケージはコンパクトで軽量なため、手軽に持ち運びできます。

一方、ショルダーリグは大きく重たいため、専用のバッグやケースが必要になりますが、安定性が高く、撮影時の疲れを軽減できる利点があります。

撮影現場でのスピード感を求める場合には、コンパクトで軽量なカメラケージがおすすめです。

一方、安定性や動作性が重視される場合には、ショルダーリグを選ぶと良いでしょう。

撮影シーンに合わせた機能の有無

カメラリグを選ぶ際には、撮影シーンに合わせた機能の有無も重要になってきます。

例えば、スポーツ撮影や追跡撮影など、動きの激しいシーンではカメラの安定性だけでなく、追尾機能が必要になってきます。

また、夜間撮影の場合にはLEDライトなどが装着可能なリグが便利です。

さらに、撮影する被写体や環境によってもリグの機能は異なります。

自然環境や動物を撮影する場合には、長時間の撮影に対応できるように外部バッテリーの装着や無線の装着、フィルターなどが簡単に交換できるシステムを構築することが有効です。

一方で、インタビューやドキュメンタリー撮影など、静止した被写体を撮影する場合には、手ブレを軽減するためのガイドレールが付いたフォーカスアシストやカメラハンドルが適しています。

 

カメラリグを使用する利点

カメラリグを使用することで、撮影の自由度が向上し、難易度の高かった撮影や不可能だったものを可能にしていきます。

映像の安定性やレスポンスが向上するため、よりレベルの高い撮影を実現します。

とくに、以下の3つのポイントが利点です。

  • 撮影の自由度が高まる
  • 振動を軽減し、撮影時の手ブレを防止できる
  • 長時間の撮影でも疲れにくくなる

撮影の自由度が高まる

カメラリグの最大のポイントとして、アクセサリの拡張性があります。

安定性や長時間撮影の負荷軽減ももちろんですが、カメラリグを活用する目的は拡張性が一番大きい要素でしょう。

たとえば、5-8インチサイズのフォーカスモニターや収録機は多くのユーザーが撮影に使用しますが、カメラに直接装着することはほとんどありません。

装着箇所のポイントの負荷が強く、カメラボディの破損につながるためです。

 

他アクセサリの可動性を上げるアームやガンマイクなどまず拡張ポイントの増設からがスタートになるでしょう。

その土台となるのがカメラリグです。

外部大型バッテリーやレンズサポートなども定番のアイテムです。

それら拡張アイテムはベースプレートのロッドに装着するもの、ネジ穴、NATO規格レールなどへの対応など様々です。

振動を軽減し、撮影時の手ブレを防止できる

カメラリグは、撮影時の振動を軽減し、手ブレを防止するために非常に有効です。

とくに、映像作品を撮影する場合には、撮影者の手ブレが大きな問題となります。

カメラリグは、ファインダーのアイポイント、グリップ、胸当てなど拡張した部分に合わせて機材を体に固定する場所が増えていきます。

拡張すればするほど重量感は増しますが、その分機材を保持するポイントも増えるのでブレの少ない撮影をすることにつながります。

また、リグの素材についても重要です。

ハイブランドメーカーは素材の堅牢性、重厚性から、リグそのものの歪み、弛みが発生しにくいため安定性が段違いになります。

これにより、ブレが軽減され、安定した映像を撮影できます。

長時間の撮影でも疲れにくくなる

カメラリグを使用することで、長時間の撮影でも疲れにくくなります。

これは、カメラを持ち上げて撮影する場合に比べ、カメラリグによってカメラの重さを分散し、体への負担が減るためです。

例えば、ショルダーリグを使用すると、肩と背中にカメラの重さが分散されるため、腕にかかる負荷が軽減されます。

 

また、カメラハンドルを使用する場合は、手のひらにカメラの重さがかかるため、腕を支える必要がなくなります。

カメラリグを使用することによって、撮影の自由度が大幅に向上します。

カメラリグを使用することで、安定性が確保され、振動や手ブレが軽減されます。

これにより、より自由な撮影が可能になります。

カメラリグで撮影するときの注意点

ここまで、カメラリグの利点について説明しましたが、使用にあたって注意も必要です。

2つの注意点

  • 重心のバランスを取る
  • シーンごとに合わせたセットアップ


重心のバランスをとる

カメラリグを使って撮影する際に重要なのが、リグの重心のバランスをとることです。

リグが重心を失ってしまうと、カメラの安定性が損なわれ、事故や撮影負荷の上昇のリスクが生じます。

具体的には、重心を機材全体の中央に合わせることが大切です。

これによって、撮影中にカメラが前後に揺れたり、左右に傾いたりすることを防ぐことはもちろん、同じ力でパンチルトを安定して行えます。

また、重心バランスの崩れた機材が三脚に乗っている場合、徐々に傾きが発生し、最悪転倒、破損が発生してしまうこともあり得ます。

やむを得ず機材から離れる必要がある場合、このバランスと取り、安全性を確保していることがプロの世界では大前提です。

ショルダースタイル時は肩にリグを乗せたときに手を放しても機材が前後片方に傾かない程度に重心のバランスを取ることが重要です。

前後どちらかに重心が偏っている場合ときちんと前後に重心のバランスが取れている場合とでは疲労の蓄積量は段違いになります。

リグの重心を調整する際には、ベースプレート自体の機能によるものからバランスウェイトの追加、装着したアクセサリの自重によるものからなど方法は様々です。

シーンやスタイルに合わせて使い分けをするカメラリグは、映像制作や生配信などのさまざまなシーンで使用されます。

シーンに合わせてリグを使い分けることで、より効果的な撮影が可能となります。

シーンごとに合わせたセットアップ

たとえば、スポーツイベントの撮影では、視認性を高めるための専用モニターの増設や撮影ベースへのワイヤレス伝送装置の装着、大型レンズのサポーターといったカスタマイズがよく使用されています。

また、インタビューのようなフィックス撮影をする場合は、その場で音声チェックや収録状況を確認できるレコーダ、拡張アイテムをコンパクトにまとめるカメラケージなどを利用すると便利です。

 

まとめ

本記事では、以下の5つのポイントでカメラリグについて解説しました。


カメラリグを使用することで、1段レベルの高い映像制作が行えます。

ぜひ本ページを参考に、よりよい映像制作に取り組んでみてください。

 

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加