コンパクト高解像度ハイスピードカメラ Phantom T4040 / 2540
ハイスピードカメラ Phantom T4040 / T2540は 127mmx127mmx203mm、4.3kgと小型・軽量ボディに最新のテクノロジーを搭載したモデルです。
小型でハンドル付きのため可搬性に優れ、設置場所を選びません。また堅牢性にも優れ、30Gの耐衝撃性があります。
センサーには裏面照射型CMOSセンサーを採用し、フル解像度(2,560×1,664ピクセル)で9,350fpsの撮影が可能。
高解像度と高速度撮影を両立させたハイグレードなモデルです。
拡大撮影に最適な小ピクセルピッチ
Phantom T4040 / T2540 は、ピクセルピッチが9.27μmと小さいので、拡大撮影や特殊光学系での撮影に適しています。
イメージセンサーは裏面照射型で、フォトダイオードへの入射光を妨げる従来のセンサーの回路部分をセンサーの背面に配置するため、従来機種より明るい映像が撮影できます。
業界初、裏面照射型センサーを採用し、これまで以上の高い撮影性能を実現
Phantom T4040 /2540 は、裏面照射型センサーを採用したハイスピードカメラです。裏面照射型センサーを実装することで、Phantomの特長である高画質を維持しつつ、今までにない高速撮影を実現しています。

裏面照射型センサーはBSI (Back Side Illumination)とも呼ばれ、フォトダイオードへの入射光を妨げる従来のセンサーの回路部分をセンサーの背面に配置するため、効率的に光を集めることが出来ます。このように、回路をセンサーの背面に移動することで、さらに多くの光が各ピクセルに到達できるようになり、小画素ピッチながら、高感度とQE (Quantum Efficiency・量子効率) を向上することに成功しました。
Phantom Tは、柔軟な設定と多機能を有しており、研究者が追及する最高の映像を取得することが出来ます。
9,350fps@2,560×1,664ピクセルの超高解像度・高速度仕様
PhantomT4040 / T2540は2,560x1,664ピクセルの高解像度での撮影が可能なため、細部のデータをしっかり認識でき、高精細な解析が実現できます。
フル解像度(2,560×1,664ピクセル)で9,350fpsの撮影が可能で、PIVやDICなどの画像解析にも最適な仕様です。

PIV解析例 気流

DIC解析例 タイヤの歪
より柔軟な視野を実現するビニングモード

4つのピクセルを1つのピクセルとして扱う「ハードウェアビニングモード」が選択可能です。
ビニングモードでは、感度、撮影速度が向上します。
また、通常モードでは撮影速度を20万fpsなど非常に高く設定する場合1,280 × 128ピクセルのような細長しか設定ができませんが、ビニングモードであれば640 ×384ピクセルのような使い勝手の良い解像度が選択できます。
これにより、高速実験のサイズと形状に合った解像度を自由に選択できるようになりました。
シャインフルーグ対応 M42 レンズマウントを標準装備
ステレオ PIVの設置・調整を短時間で

被写体に対してカメラとレンズを傾けても像面を一致させやすいシャインフルーグ配置に対応し、視差角を確保しながら画像全域のピントを維持できます。M42マウントを標準搭載のため、既存資産の活用や将来の拡張がしやすい構成です。 また、小型筐体により風洞・水槽・配管周りなどの限られたスペースにも無理なく設置でき、レーザー光路や照明との干渉を抑えた機材レイアウトが可能です。
従来のPhantomハイスピードカメラシリーズと同様に、Phantom Tシリーズは交換可能な各種レンズマウントに対応しています。
標準:F、M42。 オプションでEOS、C、PLに対応
10Gbイーサネット超高速データ転送で、待ち時間を大幅に減らして実験を効率化

超高速10Gbイーサネットが標準装備されています。
従来の1GBイーサネットと比較し、約10倍の超高速データ転送が可能です。例えば2GBのデータも6秒でPCに保存することができ、データ保存の待ち時間が大幅に短縮されます。
現場では、保存完了を待つあいだに作業が止まることが少なくなり、試験の段取りがそのまま前に進みます。
また、カメラメモリを分割することにより、撮影しながらのデータ保存ができ、保存待ち時間なしで連続撮影が可能です。
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画素数 × 撮影速度
| T4040 | T2540 | |||
| 解像度 | スタンダード | ビニング | スタンダード | ビニング |
| 2560x1664 | 9,350 | - | 5,840 | - |
| 2560x1600 | 9730 | - | 6080 | - |
| 1536x1536 | 10,130 | - | 6,330 | - |
| 2560x1440 | 10,810 | - | 6,750 | - |
| 2048x1152 | 13,510 | - | 8,440 | - |
| 1024x1024 | 15,180 | - | 9,480 | - |
| 2560x256 | 60,150 | - | 37,590 | - |
| 2560x128 | 119,400 | - | 74,620 | - |
| 2560x32 | 444,440 | - | 277,770 | - |
| 1280x832 | - | 37,200 | - | 23,250 |
| 1024x768 | 20,250 | 40,200 | 12,650 | 25,120 |
| 1024x512 | 30,300 | 60,150 | 18,930 | 37,590 |
| 1024x640 | 24,240 | 48,190 | 15,150 | 30,120 |
| 1024x256 | 60,150 | 119,400 | 37,590 | 74,620 |
| 512x128 | 117,400 | 228,570 | 74,620 | 142,850 |
| 512x64 | 225,570 | 444,440 | 142,850 | 277,770 |
※( )内の数字は、メモリ256GBモデルの各撮影速度時の記録時間(秒)です。
メモリ128GBモデルの場合は、記録時間が半分になり、メモリ512GBモデルの場合は記録時間が倍になります。
上記解像度以外も、スタンダードモード:256×32ピクセル、ビニングモード:128×64ピクセル毎に最低撮影速度は100コマ/秒から、上記最大撮影速度まで、任意に撮影速度の設定が可能です。
仕様
センサー性能(EMVA1288規格)
欧州マシンビジョン協会EMVAによるイメージセンサーの性能データ(532nm時)
| スタンダード/ビニング | スタンダード | ビニング |
| 量子効率(QE) | モノクロ:85.4%,カラー71.0% | 82.4% |
| ダークノイズ | 23.7 e- | 62.2 e- |
| S/N比 | 39.9 dB | 45.4 dB |
| AST(単位:P) | モノクロ:28.4,カラー:37.1 | 76.2 |
| 飽和容量(単位:Ke-) | モノクロ:9703,カラー11733 | 34684 |
| ダイナミックレンジ | 52.0 dB | 54.8 dB |
※ビニングとは、4ピクセルを1ピクセルとして扱うことで撮影速度を向上させる機能です。
EMVAの各用語の解説
EMVAには、以下のようなパラメータがあります。
| パラメータ | 単位 | 説明 |
| 量子効率 | % | 特定の波長で電子に変換される光子の比率です。高いQEは高感度を意味します。特定の波長で正確なQE数値を知るにはセンサーのspectral response curve(波長感度特性)を参照することをお勧めします。EMVA QE数値はフィルファクタ数値を含みます。 |
| ダークノイズ | e- | 又は読み出しノイズ。センサー(レンズキャップ装着時など)に入射光がないときに画像にみられるノイズです。低い数値は広いダイナミックレンジ、低照撮影および解析時の画質が向上することになります。 |
| S/N比 | dB | ノイズ値に対する信号値の比率。高い数値はシグナルの高品質を意味し、照度に起きる小さな変化を検知することができます。 |
| AST | P | ノイズに埋もれずに信号データを認識できる画素に必要な最低光子数。数値が低ければ低いほど、入射光が少ない撮影でも、画像として認識できるデータを表示することができます。 |
| サチュレーション容量 | Ke- | Full Well Capacity (FWC)ともいいます。画素が溜めることのできる電荷量のことを言います。高い数値はセンサーの高いS/N比、つまり高いダイナミックレンジを意味します。Photon-shot noiseの為、S/N比はFWCの平方根と連動します。 |
| ダイナミックレンジ | dB | 読み出しノイズに対するサチュレーションレベル信号(又はFWC)の比率。暗所の細部などの画像のグレースケールを詳細に認識できます。高いダイナミックレンジの数値は、高画像撮影ができることを意味します。12ビットの画像は最大72 dBのダイナミックレンジを持っています。 |
| モデル | T4040 | T2540 |
| 画素数(ピクセル) | 2,560 x 1,664 (ビニング時:1,280 x 832) | |
| 撮影速度(コマ/秒) フルフレーム |
9350 (ビニング時:37,200) | 5,840 (ビニング時:23,250) |
| 撮影速度(コマ/秒) セグメントフレーム |
444,440 | 277,770 |
| 画素ピッチ (µm) | 9.27 18.54 |
|
| センサーサイズ(mm) | 23.7 x 15.4 | |
| 濃度階調 | モノクロ 12ビット カラー36ビット |
|
| 最短露光時間(ns) | 250 | |
| 最短フレームストラドリング(ns) | 364 | |
| 内蔵メモリ | 64GB、128GB、256GB | |
| レンズマウント | 標準:Fマウントレンズ(絞り環なしレンズ対応) オプション:Cマウント、EOSマウント、PLマウント、M-42マウント(シャインフルーグマウント対応) |
|
| レンコントロール | EOSレンズにおいて、フォーカス及び絞りの遠隔操作可能(オプション) | |
| メカニカルシャッタ | 標準装備 | |
| オンカメラコントロール | 標準装備 | |
| 冷却機構 | 強制空冷方式(録画中の空冷ファンを止める「静音モード」あり) | |
| インターフェース | 1G/10Gb イーサネット | |
| 信号入出力 | 固定 I/O:トリガ入力、タイムコード入力 3つの選択可能な I/O:同期信号、ストロボ信号、レディー信号、タイムコード出力、イベント、プリトリガ |
|
| 映像出力 | HD-SDI、Mirco HDMI | |
| 耐衝撃 | 30G、11m秒のこぎり波、3軸、1軸に付き2方向、1方向に付き10衝撃(計60パルス) | |
| メモリセグメント | 最大64分割可能 | |
| カメラ制御ソフトウエア「PCC」 | 日本語対応コントロールソフトウェア。マルチウィンドウ対応で、複数台カメラを使用した際も、画像の複数表示、同期再生が可能。画像の撮影、撮影条件の設定・保存・読込み、撮影画像の再生、動画の範囲指定、各種画像処理、特徴点の自動追尾機能・速度・加速度・角度・角速度の計測、各種ファイル変換(AVI、H264/MPEG、BMP、JPEG、TIFF等)、バーストモード、画像トリガ機能 | |
| 寸法・重量 | 寸法:12.7x12.7x20.3cm(ハンドル除く)重量:4.3㎏ | |
| 動作環境 | カメラ動作環境:-10 ~ 50°C 保管環境: -20 ~ 70°C | |
| 電源 | 100‐240 VAC、20‐28VDC 280W | |
| 準備付属品 | カメラ本体、電源アダプタ、イーサーネットケーブル、日本語マニュアル、カメラ制御ソフトウエア「PCC」、キャリングケース | |
計測請負・レンタルのご案内
ハイスピードカメラは、ご購入いただく以外に計測請負、レンタルもございます。
照明、レンズ、三脚、各種解析ソフトウェア、制御PC等も合わせてレンタル可能です。
まずは技術相談からお気軽にお問い合わせください。
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